6-19 side:K ページ21
6-19 side:K
「藤ヶ谷・・・ぁ、っ、うっ・・・！」
「・・・締めつけすぎだ、北山・・・くっ」
「やぁん！や、あっ・・・！！」
そう言われても一気に押し寄せてきた苦痛の逃がし方が分からず、俺はシーツを指先でギュッと掴み首を何度も横に振ってただ唇を戦慄かせた。痛みに喘ぎながら、電気ショックでも浴びたかのように頭の中が一瞬クリアになり、ハッとして俺は藤ヶ谷と繋がっている現実を俺は実感してしまう。一体何を望んでこの苦痛の行為に身を落とそうと思ったのだろう。男同士でこんなことを――しかも抱かれているなんて。少しずつ距離を詰めてくる藤ヶ谷のモノに刺激を内部へ与えられるたびに、声を上げて涙を零してしまう。
「・・・北山、落ち着いて・・・」
怖くないから――そう言って藤ヶ谷の手が俺の手の甲にそっと触れ、シーツを握る指先を解き、自分の指に絡めさせる。そっと握られた両手は俺の顔の横に着地した。涙に霞む視界の先にいる藤ヶ谷の瞳がとても優しい眼差しをしている気がして、もっとしっかり確認したいと、俺は何度も瞬きを繰り返した。
「藤ヶ谷・・・もっとこっちに来て・・・」
「ふふっ、誘ってるの？」
可愛い、と俺に覆いかぶさってくる藤ヶ谷の唇がそっと俺の頬に触れた。
「俺に、呼吸を合わせて・・・北山・・・」
もっと俺に身を委ねて、と耳元に甘く囁かれ、俺はその声にゾクッと身体を震わせてしまう。触れ合う胸板から、どちらのかも分からない心臓の音――そのリズムに合わせるように俺は大きく息を吸ったり吐いたりを繰り返す。次第に緊張が解れてきたのか、自分の今の状況がはっきりと理解できるようになって、恥ずかしくて堪らないのに、熱く俺を見つめてくれる藤ヶ谷の視線を逸らすことができない。
「ふじ、がや・・・」
「そう、そのまま・・・」
「あ・・・、んっ・・・。」
「くっ・・・、う・・・。」
「「 、 。 、 。」」
藤ヶ谷と呼吸の吐息が同じになってまるで二人で一人になっている気がする。目を閉じた瞬間に唇がそっと重ねられたのが分かった。指先を絡めていた手をギュッと握り、もっと繋がりを感じてしまう。次の瞬間に、一気に込み上げてきたのは、今までに味わったことのない昂揚感だった。腰が揺れ、全身が震え、頭の中が真っ白になっていく――
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
