6-15 side:K ページ17
6-15 side:K
もう達しそう――藤ヶ谷の言う通り直接モノに与えられる快楽に、脳内は思考を止めて欲望を貪ろうとする。ビクビクと何度も細かく身体が震え、喘いでいた口を一瞬閉じて、ゴクッと生唾を飲んだ。スパートだとでも言わんばかりに動きを速める藤ヶ谷に、昂ぶりが頂点に達する恍惚の瞬間を感じた――その瞬間。
「やっ、やだぁ・・・！どうして・・・っ！！」
急に藤ヶ谷が口を離し、押し上げられていた興奮は根元を握りしめられている所以か出口を見失い俺の身体の中を熱が彷徨っているようだった。苦しさに瞳から涙がポロポロ流れた。
「や・・・あっ・・・お願い・・・藤ヶ谷ぁ・・・」
「・・・どうして欲しい？」
ちゃんと誘わないとダメだろ、とモノを握りしめる手に力を入れられ、俺は思わず天井を仰いで喘いでしまう。酸素を求めて呼吸をしているはずなのに、熱の奔流にどんどん息苦しさが増していく。あぶら汗が滲み出てきたのを感じてしまった。
「あっ、意地悪しないで・・・やぁんっ！」
藤ヶ谷の不埒な指先が、俺のモノを握っているのとは反対の手で何度も俺の先端を弾く。
「そうじゃないだろう？」
「うぁ・・・ああっ・・・もう・・・！」
「北山、ちゃんと言え」
「あ、ああ、藤ヶ谷、お願い・・・」
――もう、イかせて、ください・・・！！
口から誰にも言ったことのないような言葉が飛び出した。その瞬間、ふわふわ飛んでいた俺は羽根をもぎ取られ、一気に地に堕とされたような気がした。待ち構えていたのは――美しい小悪魔。ただ快楽を求める俺は、もう天使になんてなれないのかもしれない。
「・・・それでいい、北山」
「んっ、やっ・・・！！」
もう一度俺のモノは藤ヶ谷の口内に迎え入れられ、巧みな手ほどきで擦り上げられ、待ちわびていた快楽に腰を揺り動かしながら、俺は再度絶頂に昇りつめる。すると、突然藤ヶ谷に腰を大きく曲げさせられ、柔軟な俺の身体がしなり、眼前に自分のモノが近づいてくる。
「ほら、イけよ」
「いやぁ！あぅ、んっ！！」
達した瞬間に藤ヶ谷が俺のモノを揺らし、俺は自分の顔に向かって白濁した液を吐き出してしまった。唇にポタリと落ちたものが舌に流れ、その味に思わず顔を顰める。すると、藤ヶ谷は何を思ったのか俺の自身を口内に含み丁寧に舐めとってくれる。羞恥心で胸がいっぱいになってしまった。
「・・・北山、今、キスしたら同じ北山の欲望の味しかしないと思うけど・・・どうする？」
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
