6-11 side:K ページ13
6-11 side:K
誘惑をするように言われるその言葉に俺はもう惑わされている。甘い香りと艶っぽく俺を見つめる瞳と、全身を侵食されるような色っぽい声――
――藤ヶ谷に・・・触れたい、触れて欲しい・・・！
「・・・俺を・・・ベッドへ連れてって・・・」
お願い、と藤ヶ谷の首の後ろに腕を回し、背伸びをして俺は唇同士を重ねた。藤ヶ谷の両腕が腰を支え、ふらつきながらも藤ヶ谷に身を委ねるようにしてキスを繰り返す。
「・・・いいね。可愛いよ、その誘い方・・・でもその前に」
「あっ・・・！」
「ちょっとだけこのまま楽しませてもらおうかな」
藤ヶ谷に無造作にバスタオルを奪われ、俺は藤ヶ谷の前で全裸になってしまう。恥ずかしさで咄嗟に自分の胸と下半身を手で隠していると、全部見せて、と両手を取られ壁に押しつけられてしまう。
「やだ、恥ずかしい・・・んあっ・・・！！」
舌を口の中に差し込まれ、かき回しながらときどき吸い上げられて、息苦しさにだんだん何も考えらなくなってくる。荒い吐息の中、汗がじんわりと身体に浮かび始める。
「んっ・・・や・・・全然見てないじゃん・・・！」
「ゆっくりと可愛がりながらじっくりと・・・ね。それよりも俺も脱がせて」
手が解放され、俺は藤ヶ谷のシャツに縋りつく。また何度も角度を変えて唇を重ねられながら、俺は必死で藤ヶ谷のYシャツを辿り、ボタンを上から外していく。全て外したのを確認して、俺は藤ヶ谷の背中に腕を回した。崩れ落ちないように掴まるかのように手でギュッとして、下へ引っ張るように手繰る。滑らかな藤ヶ谷の背中をシャツが脱げていく――いや、俺が脱がしたのだ。袖をクイクイ引っ張ると、藤ヶ谷が手助けするように、腕を動かしていく。藤ヶ谷のシャツがフワッと床に落ちていった。
「んっ・・・もちろん、下もだよ・・・北山」
「あっ・・・ジーンズも？」
「当たり前でしょ・・・というか北山に教えるのはこれでしょ」
また手を取られ、俺の掌が藤ヶ谷のジーンズの中心――藤ヶ谷の下腹部辺りに触れる――触れさせられる。手を上下にゆっくりと動かされて、藤ヶ谷の敏感な場所を撫でる――撫でさせられると、布越しだというのにその部分が熱を帯びて固くなっていく様子がにわかに伝わってきて、全身から熱を吹き出してしまいそうになる。
「藤ヶ谷・・・俺、恥ずかし・・・んー・・・！」
何度もこのキスに騙されて――少しずつ自分の理性のタガが外れていくようだった。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
