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「あ、ごめん、急に電話して・・・うん、キタミツを送り届けたところなんだけどさ」
玉の集合がかかったから今戻ってる、と車の後部座席にもたれかかるようにして、宮田は大きくため息をつく。
「とりあえず玉とキタミツが上手くいったみたいで良かったよ。ニカが調子に乗るから、マジでどうなるかと思った」
玉の信用を失いたくないもん、と先ほどよりも盛大なため息が自然と零れてしまう。
「・・・うん、それは大丈夫。自宅の位置は掴めなかったけど、玉の力があればすぐに調べられるでしょ」
最初マジで公園に住んでいるのかと思ったけど、と苦笑いを浮かべて、宮田は車に備え付けられている冷蔵庫からドリンクを取り出した。
「玉の命令だったから攫いにいったけど・・・やばいかも、俺。キタミツに本気になりそう」
だってものすごく可愛いじゃん、と宮田は楽しそうに足をばたつかせる。
「そりゃあ、玉のことだからすぐに飽きて俺達にってこともあるかもしれないけど」
今回はそんな感じじゃない気がするんだよな、と宮田は急に顔つきを神妙にさせた。
「・・・その時はさ、手を貸してくれる？」
電話越しに聴こえる肯定の声に、宮田は顔を緩ませた。
***
「へぇ、面白い展開になってるじゃん・・・俺のおかげっしょ？」
調子に乗りすぎたことは謝るけど、と二階堂は口元を歪ませる。
「けど玉はそれで欲しいものが手に入ったじゃん・・・ん？それ本気か？」
飽きたらまた俺達に譲ってくれるんじゃない？と二階堂はダンスホールに続く扉を黒服の男に開けさせた。
「・・・千賀、みたいにさ」
まぁ協力はいつでもするよ、と笑みを浮かべながら、その視界の先に少し不満そうな顔をしている千賀の姿が映る。
「・・・もう、ニカ、遅ーい！」
「じゃあ切るわ。また後で」
電話が終わると同時に自分の胸に飛び込んでくる千賀の腰を二階堂はグッと抱き寄せる。
「やだ、ニカ・・・元気すぎない？」
下半身が触れ合う感覚に千賀は顔を真っ赤にしながらも身を委ねるようにしなだれかかる。
「さっき中途半端なところで邪魔が入ったからさ・・・もうホテルとか行くか？」
むしろ千賀の方が辛いんじゃない？と二階堂は千賀の首元に唇を這わせて何度もリップ音を立てる。くすぐったい、と身を捩らせながらも、千賀はうっとりとした視線を二階堂に送る。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
