5-6 side:K ページ35
5-6 side:K
「それにしてもさ、キタミツは一体どこで玉と出会ったの？」
「・・・それは・・・」
「珍しいんだよね、玉が余裕なさそうだったから・・・よっぽど会いたいんだと思うよ」
その言葉はどう捉えればいいのだろうか――玉はきっと俺のことを抱いたと思っているはず。それとも俺たちの間にそんなことがなかったことに気がついて、改めて俺を手にかけようとしているのか。玉がくれば腕の拘束は解いてもらえるかもしれないけれど、自分がこの場所から解放される保障なんてどこにもないのだ。今はとにかく時間が経つのが怖い――玉に会うのが怖い。
「キタミツは玉のこと・・・」
「ねー、宮田。俺にもドリンクー！」
俺たちの会話を遮るように、千賀の甘え声が部屋の中に響く。
「えっ、千ちゃんはこの部屋の勝手が分かってるんだから自分で・・・」
「やーだー！俺もお姫様扱いして！」
俺にかまけている宮田の服を後ろから引っ張るようにして、千賀は駄々をこね始めたようだった。弱ったなぁと、困っている宮田に顔を近づけると、千賀はそっと宮田の頬に口づける。
「ほっぺチューしたら言うこと聞いてくれるんでしょ？」
「はいはい、敵わないなぁ、千ちゃんには」
ちょっと顔をデレさせて、宮田は再び冷蔵庫のように向かっていったようだった。千賀とふと目が合う。ちょっと骨格は男の子っぽいけど、まだあどけなさが残る綺麗な顔立ちをしている。
「・・・ちょっと可愛いからって調子に乗らないでよね！」
「・・・はぁ？」
ふんっ、と顔をプイッと背けた千賀は、また“ニカ”に腕を絡ませたりしている。どうやら千賀には毛嫌いされてしまっているようだ。それは俺が玉と関係を持ったと思われているからなのだろうか。そうは言っても、千賀は“ニカ”とも宮田とも親しい関係のようだし、一体何がどうなっているのだろう。ただでさえ昨日からカルチャーショックみたいなことが多いのにこれ以上混乱をしたくない。
「ちなみに、肌の手入れってどうしてるの？」
「・・・はぁ？」
だってほっぺがプルプルしてる、と千賀が俺の頬を無遠慮に触り始め、俺は顔を顰めて何とか逃れようとする。人にキレてるのかと思えば、急に女子みたいな会話を振ってくるし、この子は天然なのだろうか、と俺は掴みきれない千賀に困惑を隠せない。
next→5-7へ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 563人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年5月7日 0時
