動き出す、作戦本部長32 ページ2
動き出す、作戦本部長32
***
数日後――
「・・・太輔、そろそろそのセーター洗濯したほうが・・・」
「もう一日だけ・・・あっ、渉。北山がほっぺすりすりしてた部分以外洗濯ってできないかな!?」
上手いことやってよ、と身勝手に呟く太輔に俺は頭を抱えてしまう。
「無茶言うんじゃない!」
ソファーに寝っ転がりながら、みっちゃんがほっぺすりすりしていた部分に自分の頬をあててニヤついている太輔を見て――こんな変態チックになってしまうなんて育て方を間違えたかもしれない、と俺は盛大にため息をついた。“北山プレミアムセーター”は手に入らなかったけれど、太輔はご満悦のようだった。
「・・・ふふっ、北山、俺の匂いならすぐ分かるって」
俺ってそんなにいい匂いするのかな、と太輔は自分の手首をクンクン嗅いでいる。
「あー、それでそんなに機嫌よいのか」
みっちゃんが思いがけず口にした言葉を思い出しているのか、太輔はニマニマ口元を綻ばせてしまっている。
「そうだ、次の作戦の準備をしよう!」
「えっ、次があるの!?」
そう言うと突然太輔は口笛を吹き始める。すると――
「はいっ、藤ヶ谷さぁん!」
「えっ、ニカ!?」
「ちょっとガヤさん、今回の作戦が終わったらニカを呼ばないって・・・!!」
嬉しそうに駆け込んでくるニカと顔を真っ赤にして抗議する千賀さんに俺はびっくりして目を見開いた。
「だから指笛で呼ぶのはやめてあげたでしょ」
口笛だもん、と少し拗ねたように頬を膨らませ、太輔は髪の毛を耳掛けしながら、反対の手でニカの顎をこしょこしょする。
「藤ヶ谷さぁーん、ゴロゴロ・・・」
「ニカっ!もうガヤちゃんもいい加減にしてっ!!」
わったー何とかしてぇ!と泣きついてくる千賀さんに俺は苦笑いしかできなかった。
「じゃあ、次の作戦に備えて、みんなも準備しておいてね!」
「「「えっ・・・」」」
「もちろん、俺が北山を手に入れるまで、作戦は続くから!」
「「「えーっ!!!」」」
結局セーターがどうのこうの言ってたけど俺達の本来の目標はやはりそこで――太輔とみっちゃんが結ばれること。一瞬ホッとして一息ついた俺達の前には、さらに大きな山が現れたように見える。そしてそこには、途方に暮れてしまいそうなほど、激しく険しい道のりが待っているのだった。
「北山、今度こそ絶対に・・・!」
次はどうしようかな、と微笑む太輔に俺達三人は肩を落とした――
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作者名:ほわわ | 作成日時:2019年4月7日 19時