キスパ36(藤→北←玉) side:T ページ36
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「ガヤは多分気がついたな・・・」
ミツの雰囲気が変わったことに気がついて、ちょっと様子がおかしい感じになってきているようだった。こんなに早く勘づくなんてさすがシンメと言いたいところだけれども、それが俺を焦らせたというのもある。もう一度視線をガヤに向けると、兄組は肩を組みあって一致団結しているようだった。運動神経的には向こうに分があるかもしれないが、いかんせん俺達は人数が多いし仲が良い。ミツに授乳してもらうためにも、絶対に負けられない――
「玉ぁ、兄組と早速バチバチしないでよー」
ゆるスポなんだし勝負だけど楽しくやろうよ、と俺の肩をポンポンと叩く宮田の手首をグッと掴んだ。俺のただならぬ雰囲気にびっくりしたように、宮田が瞳を丸くして俺を見つめる。
「いや、絶対にこの戦いは負けられない・・・なぜならミツのお胸がかかっているから」
「へ?キタミツのお胸?」
先ほどの妄想のように勝ってミツに授乳してもらってその後は・・・、と俺はミツと絡み合う激しい妄想をしてデレッと顔をだらしなくさせる。
「今度は玉がふにゃふにゃに・・・」
「いいか、とにかく絶対に兄組に勝つぞ!!」
「今度はまた真剣に・・・どうしたんだろ、玉・・・」
「玉ってゆるスポーツをやると急に真面目になるときあるよね・・・」
「普段のゆるさはどこへ・・・」
怖いから頑張ろう、と頷きあう三人の姿に俺は気にも留めず、俺は気合いを入れてフィールドに立った。最初のジャンプボールには宮田を指名する。兄組がミツだと分かった瞬間に自分が行けばよかったと後悔した。だってまさか一番ちっこいミツをジャンプボールに出してくるなんて思わなかったから(コラ!byミツ)。案の定、宮田がボールをしっかりと空中でキャッチして着地する。すると――
「ああ、泣いちゃった・・・」
勢いよくキャッチされたからかベビー(ボール)がエーン、エーン、と泣き始めてしまい、一同が微笑ましい笑いに包まれてしまう。
「優しくあやしてあげてください」
どうしたらいいのか戸惑っている宮田に手を差し出し、ミツは優しく微笑んだ。
「ほら、俺のところ、おいで」
宮田からボールを受け取り、よしよしとまるで本当に抱っこしている赤ちゃんをあやしているかの姿に、俺はミツが自分の奥さんになったときのことを想像して微笑ましく見つめてしまう。そしてきっといい母親になるんだろうな(男です!byミツ)と、俺はニヤニヤが止まらなくなってしまった。
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年12月3日 0時