まえあし短編集(SS)～キスパ～(藤→北←玉) (ページ34)

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キスパ34(藤→北←玉) side:F ページ34

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「次のライブでは俺だって遠慮なくミツのお胸触るから！ツンツンしちゃうから！(※Yummy冬コンをご参照ください)」
「北山の汚れの無い神聖な胸をそんな気軽な感じで・・・！」
「・・・ちょっと、二人とも・・・何を言ってるのかちょっと意味が分からない・・・」
　いつの間にかしっかりとエプロンを身に着けて戻ってきた北山が、俺達に戸惑った様子で胸を隠して見上げている。進行役の渉に、いい加減にしなさい、と俺達は二人揃って怒られてしまった。
「じゃあ、ガヤ。さっき言ったこと忘れないでよ」
　ミツまた後でね、と肩をポンと叩いてすっかり待ちぼうけ状態になっているトシくんやニカや千ちゃんへと歩み寄っていく玉――俺はすかさず玉の叩いた北山の肩を横から抱いて、玉に向かって声をかける。
「ああ、俺達は絶対に弟組には負けない！」
「藤ヶ谷・・・玉がさっき言ったことって・・・？」
　なんかお胸がどうとか授乳がどうとかって聞こえたけど、と顔を赤らめて困惑しながら俺を見つめる北山を安心させようと、俺は優しく微笑みかける。
「・・・心配はいらないよ。俺達二人の愛の力があればどんな困難だって」
「太輔、俺は無視か」
　俺は北山に向かい合い、そっと北山の両手を包み込むようにして握りしめた。
「北山、北山のお胸は俺が守るから」
「うん・・・って、さっぱり何を言ってるのか分からないんだけど・・・」
「太輔！純粋なみっちゃんを困らせるんじゃないよ、本当に！というかそんな約束して大丈夫なの？俺達の方が人数少ないんだよ」
　勝手に人を賭けの対象にするなんて、と怒る渉――ごもっともです、と思いながらも、玉を相手にしてしまうとどうしても負けられないという気持ちが強くなってしまう。北山の気持ちが少しずつ揺れ動いているような気がするからなのだろうか。
「渉、いろいろ先走ったのは謝る・・・北山を守るために協力してくれ」
　俺が姿勢正しく頭を下げると、分かったよ、と呆れたように苦笑いを浮かべながらも、渉は大きく頷いてくれる。そして俺と北山の肩に手をかけ、グイッと俺達の距離を近づける。
「うわっ、何だ、渉！？」
「わわっ、どうしたの、よこーさん！？」
「・・・よし、絶対に勝とうね、二人とも！」
　弟たちに兄組パワー見せてやろうぜ、と意気込む渉に、戸惑っていた北山も、そうだね！と満面の笑みを浮かべた。その笑顔に俺は胸がいっぱいになってしまった。

――北山は絶対に俺が守るから・・・！！

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