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キスパ30(藤→北←玉) side:F ページ30

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「キスマイと言えばもう一個あるじゃないですか!」
 バットを片付ける渉の声にハッとして見つめれば、どこから取り出したのか分からない手紙を読み上げる。それはゆるスポーツの理事長の方からのお手紙だった。次はゆるスポーツをするのか――“ベビーバスケ”という競技らしい。
「ということで会場は向こうなので行きましょう!」
「千賀さん、聞いていましたか?次は何の競技やるんですか?」
「・・・ぐるぐる相撲?」
トシくんに渡されたタオルで顔を拭く千ちゃんは、本当にぐるぐるしてしまっているらしい。可愛い千ちゃんの回答にみんなで笑いあい、俺達は先にある広場を目指す。
「どんな競技だろうねー!」
今度こそ俺は北山にいいところを見せたい。そして、できれば密着したい。隙があれば北山に想いを告げたい――移動のタイミングになり、俺は北山の隣に歩み寄ろうとすると、その前に玉が北山の隣を陣取る。
「ミツ、一緒に次の場所へ行こう」
「玉ちゃん・・・うん」
 玉と視線があった瞬間に、頬を薄っすらと赤く染める北山――はにかんで頷く姿の可愛らしさに釘付けになってしまう。
「可愛いな、ミツ・・・俺のこと意識してくれてるの?」
「ち、違うよっ!」
 困ったように頬を両手で押さえ首を振る北山に、素直じゃないなぁ、と優しく笑いかけながら北山の肩に腕を回そうとする玉の手を慌てて掴み、自分の肩にかけさせる。
「・・・藤ヶ谷!?」
「ちょっ・・・何で邪魔をするんだよ、ガヤ!」
「肩なら俺が貸してやる・・・北山に馴れ馴れしく触るんじゃない!」
「いーや、小さくて可愛いミツがいいです!ねぇ、ミツ!?」
「危ないから玉に関わらなくていいからな、北山・・・あれ?」
 おでこをくっつけあうようにしていがみ合い、二人して北山に声をかけると、その姿は遥か先の方へ――
「二人とも、置いてくよー?」
「北山・・・」
「ミツ・・・」

――だから、なんで、こんなに鈍いんだ・・・!?

 こんなに俺が玉と揉めているというのに、どうして気にも留めてくれないのか――鈍感な北山の心を動かすなんて並大抵のことではできない。ならば、少しでも北山に自分へ意識を向けさせている玉は、やはり・・・並大抵を超えるようなことを北山にしたに違いない。俺の心の中に、一気に嫉妬の炎が燃え上がった。
「もー離してよ!」
「言われなくても・・・それより玉!お前一体北山に何をした!?」

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設定タグ:藤北 , 玉北 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:タレント
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年12月3日 0時

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