まえあし短編集(SS)～キスパ～(藤→北←玉) (ページ12)

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キスパ⑫(藤→北←玉) side:T ページ12

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　まずは玉森さんから、と言われて俺はみんなよりも一足先にテントの中に入る。一番大きいテントはソファーやイスもセッティングされており、7人が座れる十分な広さだ。俺は入口付近に胡坐をかいて座り、他のメンバーを中に誘導されてもらうことになっている。先に入ってきた舞祭組の4人に基本的に奥に座るように促す。そして、次に入ってきたガヤはやっぱりというかなんというか俺の隣の席を避けるように向かい側に座る。しかもニカを一つずらして、俺の隣の空いている座席の前に腰を下ろした。そう、残っているメンバーはミツだけだから、ちょうど正面に座ろうとしたのだろう。そして、ミツが最後に入ってきて、当たり前のように俺の隣のイスに腰をかけた。ガヤは思惑通りという顔をしてニンマリを微笑んでいたようだったが――
「横尾さん、ごめん。俺もイスに座らないといけなかったみたいで・・・奥に詰めてもらえる？」
　オッケー、と横尾さんが奥のソファーに移動し、宮田・千賀さんと仲良く座る。
「ミツもずれてもらっていい？」
「うん、玉ちゃん」
「あ・・・北山・・・」
　横尾さんのいた場所にミツが、そして俺は――ミツが座っていたガヤの正面に腰を据える。ガヤがちょっと困惑した顔をしてニカに声をかけようとするが、俺はカメラさんに合図を送り撮影をスタートさせる。ガヤが悔しそうな顔をしたのを見て、俺はフフッと笑みを漏らしてしまった。
「テントって入った？」
「最近？あんまないよね」
「取材のときくらいじゃない？」
「買っちゃおう、グループ用に買っちゃおう」
「じゃんけんで負けた人、買っちゃおう！」
　先ほどサポートをお願いしたからか、ミツが俺の話に合わせてのってきてくれる。すると――
「7個ね」
　間髪入れずにガヤものっかってきて、ミツが笑っているのを見て、俺は自分の脇を隠しながら手を挙げた。
「あのー、すいません」
「どうしたの？」
「あのー、流行語大賞やりません？キスマイの」
　いきなり！？とみんなが戸惑うが、これは俺のコーナーなので強制参加です、と心の中で思ってしまう。
「流行語大賞2018・・・今年の中のメンバーの中で流行った言葉」

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