12時を過ぎても�ぁ峅兇�・・・俺自身を抑えきれない」 ページ10
「玉ちゃん・・・！」
柔らかいベッドが、玉と俺の体重を受け止めてギシッと軋む。身体全体に玉の腕が絡みつく。ギュッと抱きしめられて、俺は優しい息苦しさを感じて、思わず吐息を荒くしてしまった。玉の唇がゆっくりと俺の頬に触れる。
「・・・本当はさ、夜景を二人でじっくり眺めたり、この部屋でもっとゆっくり時間を過ごしてからなんて思ってたんだけど・・・ごめんね」
伸ばされた指先がそっと何度も俺の髪の毛を撫でる。
「・・・どうして、謝るの・・・？」
「・・・余裕がなくてごめん。ミツは俺より大人だから、それに見合うようにって思ったんだけど・・・」
玉は俺の顔の両側に両手をつき、俺と少しだけ距離を取った。スッと離れていく温もりが恋しくて俺はそんな玉の服の裾をギュッと握った。穏やかに、でも少しだけ困ったような顔をする玉が今まで以上に綺麗で愛しくて、俺はただ黙ってその表情を見つめることしかできなかった。
「俺が・・・俺自身を抑えきれない」
子供だよね、と口元を緩ませながらも、強く真剣な瞳で見つめてくれる玉は、ずっと大人びて見えて――いつの間に本当にこんなに逞しくかっこよくなったのだろう、と急に自分の子供の成長を喜ぶ親心にも近い感情にじわっと込み上げてくる涙が瞳に溜まる。
「ミツ、愛してる。もっと・・・今までよりも愛しあいたい」
その言葉に俺は顔を真っ赤に染め上げ、自分の唇を思わず両手で覆い隠した。そうは言っても俺にとっての玉は、子供でも弟でもなく、唯一無二の恋人――心から大好きな人にかけられるその優しい言葉に堰切ったように涙が溢れかえる。
「今日は俺のバースデーだからどうしても欲しいものがあるんだ。でも・・・」
もう日付が変わるからこれ以上のわがままは言わない、と切なそうに玉も泣きそうな顔をしているのを俺はぼやけた視界でも見逃すことはなかった。優しく唇を重ねられて何もかもがぼやけてしまいそうになる。愛する人の願いが、俺の想いと同じことだったなら――ただただそれを受け止めればいい。
不意に時計のアラームがピピッという音が鳴って、二人してハッとしたように唇を離して顔を見合わせる。
「・・・12時になっちゃった」
――12時で魔法が解けたら、もう王子様のそばにはいられない。
物語ならその前に王子様から逃げ出さないといけない。
「・・・玉ちゃん・・・俺の服を脱がせてくれる・・・？」
――12時を過ぎても、俺は愛する人から離れたくない。
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12時を過ぎても�ァ嵒櫃�らないで、ミツ・・・」→←12時を過ぎても��「・・・俺が連れて行ってあげるから」
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2018年3月18日 0時
