12時に解ける魔法（玉北） (ページ50)

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Voice of a Miracle 27 ページ50

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「もちろんだよ、ミツ・・・」
「玉ちゃん・・・大好き」
　お互いの気持ちを改めて確認するようにしっかりとキスを交わせばそれはまるで誓いのキスのように――
「千秋楽終わったらまっすぐ帰るから・・・」
　その時は続きをいっぱいさせてね、とミツと額をくっつけ合わせると、恥ずかしそうにしながらも何度もコクコク頷くミツが愛おしい。
「玉ちゃん・・・」
「ミツ・・・」
　しっかりと抱きしめあってもう一度唇を重ねようとすると、突然楽屋に三人が近づいてくる気配を感じて、ミツは慌ててクマのぬいぐるみとソファーの後ろに隠れた。
「あれ、玉、一人？北山さんは？」
「あ、えっとー、さっきトイレに向かったから先に入口で待ってたほうがいいかも」
「そうなんだ、ならそうする」
　じゃあ残りの公演も頑張って、と俺達に微笑みかけて、ニカが部屋を出ていく。宮田と千賀さんの気を逸らして何とかミツを楽屋から外へ出さないと――ちょっとだけ振り向いて視線をミツに落とすと、ミツはまだ服装を整えているようだった。もう少し時間も稼がないとダメか、と俺は宮田に視線を向けた。
「そうだ、宮田・・・今日このクマ返すね」
　長らくありがと、と俺はクマのぬいぐるみをポンポンと撫でる。もう本当の温もりをくれる愛おしい存在――ミツしか愛せないおまじないをかけてもらった以上は、仮初めの温もりに縋る必要なんて――
「えっ、大丈夫だよ。俺もすぐには持って帰れないし・・・ハチミツちゃん千秋楽まで貸しておくよ？」
「・・・(ハチミツちゃん？)」
　ボソッとミツが呟いた気がして、俺は慌てて立ち上がり宮田の口を塞ぎにかかる。
「やめろ、宮田・・・！」
　恥ずかしいだろ！と叫ぶと、宮田が焦った表情を見せる。
「えっ、えっ、だって玉がそのクマさんのことをハチミツ・・・ミツって呼んでるのは俺も千ちゃんも知ってる・・・」
「いいから！」
　まさか一度寝ぼけてミツの名前を呼んでしまっていたらしく――目を覚ました時に不思議そうに見つめる二人を何とか誤魔化さなければ、と咄嗟にクマのぬいぐるみに“ハチミツ”という名前をつけたことを、まさか本人の前でバラされてしまうなんて――

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作者のほわわです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ちょっとお話が中途半端ではございますが、次回移行いたしますのでよろしくお願いいたします＜(_ _)＞