Voice of a Miracle 24 ページ47
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甘くて楽しい食卓のひと時を終えて、そろそろ着替えなきゃ、とミツはいそいそと自分のカバンを置いた部屋へと入っていく。俺もソファーに用意してあった衣服を身に着ける。しばらくすると、ミツの戸惑う声が、部屋の中から聞こえてきたので、俺は足早に駆け寄った。
「あれー?玉ちゃーん?」
「どーしたの、ミツ」
「俺の着替えどこに行ったか知らない?」
ちゃんとバッグに入れたと思ったんだけど、とちゃんとお泊り前提で俺のところへ来てくれたことが本当に嬉しい。確かにちゃんと綺麗に畳まれた状態でミツのバッグの中には入っていた――申し訳なく隠させてもらったけれども。
「あ、ベッドの横に置いてあったと思うよ」
「そっか、ありがと!」
急がなきゃ、とミツがベッドルームに入るのを確認して、俺もその背中を追った。すると――
「えっ・・・うわっ!何これ!」
ベッドの上に置いた真っ赤なリボンのついたプレゼントの袋を確認したミツはそれを大事そうに抱えて俺の方を向いた。サプライズ成功、とさらに畳みかけるように俺はミツのおでこに、チュッ、とキスを落とした。
「これに着替えてみて、ミツ」
俺の前で、と言うとミツが恥ずかしそうにベッドの影に隠れてしまう。ちょっとだけ残念に思いながらも、衣ずれの音に変に胸を高鳴らせてしまう。ミツは本当に喜んでくれるだろうか――そんな緊張も少しだけあった。ミツは服に執着するタイプではないから、なおのこと。ゆっくりと立ち上がるミツは――ほっぺを林檎のように赤く染めてはにかんだ。
「えへへ、似合ってるかな、玉ちゃん」
こっちにおいで、とベッドの反対側にいるミツを手招く。俺の仕立てたスウェットは、ミツのことを考えながら雨の中、買いに行ったものだ。思い描いていた通り――いやそれ以上にミツにフィットしているような気がするのは、俺の欲目だろうか。
「うん・・・よく似合っているよ」
「すごい肌触りもよくてぴったりで・・・すごく気に入っちゃった!」
ありがとう玉ちゃん、とミツが俺をギュッと抱きしめてくれるので、俺もその腕に応えるようにしてしっかりとミツを腕の中に閉じ込める。俺の胸に顔をつけていたミツが息苦しさからなのか、少し息を切らして顔を上げる。堪らずに俺はその唇を重ね合わせてしまっていた。
「んっ・・・」
「ミツ・・・」
嬉しい、と可憐に微笑むミツに釘付けになってしまう。
「玉ちゃんのキスもプレゼントにもらっちゃった!」
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年3月18日 0時