12時に解ける魔法（玉北） (ページ42)

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Voice of a Miracle⑲ ページ42

⑲

　荒い息遣いのミツの背中をゆっくりと何度も撫でていると、次第に揺らぎが小さくなる。俺をうるんだ瞳で見つめて、ニッコリと微笑むミツの唇にそっとキスをした。ムギュッとミツを抱きしめてベッドにゆっくりと横たわる。
「玉ちゃん・・・結局、玉ちゃんにいっぱいしてもらっちゃったね・・・」
「凄く気持ちよかったよ、ミツ・・・俺こそ無茶させちゃったかな」
　ごめんね、と汗ばんだミツの髪の毛を掻きあげ、おでこに唇を寄せると、ミツの口元に笑みが浮かぶ。
「平気だよ、玉ちゃん・・・大好き」
「ミツ・・・ありがと」
　俺も大好きだよ、と今度は唇を重ねて愛を囁くと、せっかく落ち着いてきていたはずのミツの吐息がまた乱れ始めたのを感じる。唇を離して見つめれば、真っ赤な頬のミツがうっとりと俺を見つめてくれるので――またすぐに触れたくなってしまう。いつもならばミツに腕枕をしてあげるのだけれども、今日の俺はミツの胸板に甘えるように顔を寄せてしまう。すると、ミツが俺の髪の毛をそっと何度も指先で梳いてくれる。頭を撫でられると、自然と身体から力が抜けていくのを感じて目を細めてしまう。
「玉ちゃん・・・玉ちゃんって本当に凄いよね・・・」
「ん？」
「いつも舞台の間とかドラマのときとか・・・役に入り込んで普段もその多いのに・・・」
「今なら〝ユウタ″になってるってこと？」
　俺はミツを上目づかいで見つめると、ミツは穏やかに優しく微笑む。
「でも・・・俺と一緒にいてくれるときはいつもちゃんと玉ちゃんなの・・・」
「ミツ・・・」
「凄いなぁって・・・でもだからこそ」
　そっとミツの唇が俺の額に触れる。
「俺の存在が役作りの邪魔になったりしないか・・・不安になるときもあるのかもしれない・・・玉ちゃんの集中の邪魔をしないかって」
　ミツの声色に憂いが混ざっているというのに、俺はその綺麗な声に俺は聴き入ってしまう。
「だから、ブログできっと俺のこと呼んでくれているんだろうなって思ったんだけど・・・少しだけ迷ったよ・・・」
「ミツ・・・ごめん、心配かけたんだね」
　ううん、とミツは首を横に振った。
「でも結局玉ちゃんの顔を見た瞬間に、俺も会いたくて仕方がなかったんだなぁって思い知って・・・こうして一緒にいられるの本当に幸せだなぁって思う」
　大好き、とミツの腕に力が入った。抱きしめあう感触――幸せを感じているのは、ミツだけじゃない。俺も、いや俺の方こそ――

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