青春ドンスト！(藤北←玉) (ページ1)

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プロローグ① ページ1

プロローグ①

「・・・生徒会長は、藤ヶ谷くんに決定しました！」
　高等部の生徒たちから一斉に沸きあがる歓声と、温かい拍手――それを受けて颯爽と立ち上がった藤ヶ谷はペコリと一礼をし、壇上へ上がっていく。そんな藤ヶ谷の姿に、相変わらずかっこいい、とはにかんだ北山は人一倍大きな拍手をする。誇らしげに優しく、愛おしさを隠そうともしない北山の熱視線に気がついたのか、藤ヶ谷は壇上から北山を見つけるとクスッと小さく微笑む。そして、マイクを手に、全校生徒の前で話し始める――
「この度生徒会長を拝命いたしました、藤ヶ谷太輔です・・・僕はこの学校を・・・」

***

「・・・藤ヶ谷、おめでと」
　絶対に選ばれるって思ってたよ、と北山は生徒会室で会長の椅子に座る藤ヶ谷に駆け寄り、嬉しそうに微笑んだ。藤ヶ谷も口元を緩ませて、北山に笑いかける。
「ありがとう、北山」
「・・・でも、ますます多忙になっちゃうね」
　北山と藤ヶ谷は中等部のメンバーも合同のアイドル部に所属している。アイドル部に入って高等部ではもう一人、そして中等部の四人とユニットを組んでいて、なかなかに人気も高く忙しい生活をしている。
「まー、でも生徒会も優秀なメンバー揃えるから大丈夫」
　アイドル部も変わらず続けるつもりだよ、という藤ヶ谷の言葉に、ホッとしたように北山は胸に手をあてて大きく息を吐いた。アイドル部は藤ヶ谷と同じ時間を過ごせる大切な時間だから、と北山は少しだけ熱っぽい視線を藤ヶ谷に送る。
「生徒会メンバーか～」
　生徒会メンバー指名――会長はその権限で副会長と会計を選任することができる。会計はもちろん頭脳明晰で計算がきちんとできる人が、会長の秘書の位置づけになる副会長には大体優秀な女子が選ばれる。
「藤ヶ谷の副会長ならみんななりたいって思うよね・・・」
　整った顔立ちで女子への優しい振る舞いもできる藤ヶ谷――女子からの人気は相当に高いから選ばれた子が他の女子からやっかみを受けてしまうのではないかと少し心配になってしまうが。
「・・・北山、今回は男子から副会長を指名しようと思っている」

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