カップル玉北編 33 side:T ページ33
33 side:T
「あの二人も・・・入れ替わったりして」
何てね、とミツが俺に微笑みかけてくれる。俺はミツの肩を抱き、額にキスを落とした。
「入れ替わってみたらいいんじゃない?改めて、大切な人が自分のことをどう思っているか・・・よく分かったから」
宮田に嫉妬してくれたでしょ、と俺がミツの頬をムニムニとすると、ミツは一瞬で顔を紅潮させた。
「玉ちゃんだって・・・よこーさんにプレッシャーかけられている中、そんな素振りも見せないで・・・俺のこと大切にしてくれてるの凄く感じた」
今日はもうあの二人は置いて帰って部屋でゆっくりまったりしよう、と俺はミツに微笑みかける。
「・・・その格好のミツとイチャイチャしたいなぁ、なんて」
「・・・全然ゆっくりできそうな感じしないんですけど・・・」
まぁいいから、と俺はミツの肩を抱いた。ミツもフフッ、と小さく微笑み、俺達はスタジオを後にする。そして、外へ出た瞬間、俺達はハッとしたように声を揃えて顔を見合わせた――
「「というか、今回の俺達の喧嘩の原因って、ほとんど二階堂じゃん!!」」
――そして、俺たちは何で入れ替わってしまったのか・・・その答えは分からない。
あれから怖がりながらも何度か頭をコツンとぶつけあったりもしているが二度と入れ替わることはなかった。そのことがまるで幻でもあったかのように――
だけど、と自分の腕の中に確かにいるミツの幸せそうな寝顔を見て、改めて俺は実感した。当たり前だと思わないで、大切な人ほどきちんと毎日“大切”な気持ちを伝えないとダメなんだってこと。明日のことなんて明日にならないと分からない。だからこそ――
冠番組の撮影、俺のお悩み解決のコーナーに寄せられた質問を読み上げる。
「水商売をしていたことを相手の人に伝えたほうがよいか」
まだ知られていないなら、相手が気にする人かもしれないから、そんな意見が多くて、メンバーの中では話さない方向性で話がまとまりそうになった。
「じゃあ、玉森さん。まとめをお願いします・・・」
「・・・いや、話そう!」
何で!?とメンバーがざわつき、笑いが漏れる。隣に座っているミツもクスクス笑いながら、俺の顔を見つめている。
「大切な人なら、何でも話したほうがいいよ」
ねぇミツ、と俺はカメラには映らないようにミツの手をギュッと握りしめた――小さくコクン、と頷いたミツは、恥ずかしそうに、でもとても幸せそうに微笑んでいた。
Fin.
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年1月15日 0時