カップル玉北編 15 side:T ページ15
15 side:T
「・・・俺は渉ですかね」
いろいろな資格を活かしてみたいです、と俺が落ち着くまでと気遣ってくれたのかガヤが先に記者さんに答えてくれている。
「俺は太輔ですかね、キングって呼ばれてみたいです」
「えっと・・・俺は・・・玉ちゃんですかね」
実は中身がすでに玉ちゃんでーす、とは当たり前だが言えなかった。でもそれが現実・・・本当に何でこんなことになっているのだろう。
「・・・(心臓に悪いな、これ・・・)」
ありがとうございました、と記者さんが立ち去っていった。無事に何とか前半パートを終え、スタッフさんたちがランチの用意をしてくれている。俺たちはお茶を飲みながら待っていた。
「・・・北山、今日ちょっと何か調子悪い?」
「えっ、何で!?」
ガヤの発言に俺は思わずお茶を噴き出してしまいそうになる。また?と横尾さんがまた背中をさすってくれた。どうして?と改めてガヤに聞き直す。
「だって、どんな質問にも大概“焼肉”しか言わないから」
話が広がらなくて困った、とガヤは大きなため息を吐いた。
「そうそう恋人とロマンティックなひと時を過ごすのも“焼肉”って言ってたのはびっくりした」
「あっ、えっと、その・・・」
というかこの間ミツと焼肉デートしてそのまま帰って家でムフフ・・・なことをしたばっかりだったからついそのまま話してしまった、まずかったかなー。ミツにばれたら怒られそう、と俺も大きなため息を吐く。
ランチはバイキングで用意してくれているらしく、色々な料理が並べられている。疲労度が大きく喉をご飯が通るかという感じだったが、すっかりミツになりきったと思っている俺は食べるものもミツの好みに合わせてお肉を中心に盛大に皿に盛った。ミツっぽく肉を見てうきうきとした感じで俺は席に着いた。
「いただきまーす」
「・・・みっちゃん、ダイエット中じゃなかったっけ?」
肉を口に頬張った瞬間に、思いがけない一言を言われ俺は思わず口の動きを止めた。
「・・・(ミツがダイエット!?聞いたことないんだけど!!)」
どこをどう減らそうとしているのだろう――あまり痩せてしまうと抱き心地が悪く・・・おっと、ミツは痩せさせるところがないというか、今くらいの柔らかさがちょうどいいというか。
「・・・俺が言ったからだよな、ごめん、北山」
「・・・(しかも、何だよガヤのその意味深な発言・・・!)」
俺の知らないミツがどんどんと現れていく――
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年1月15日 0時