カップル玉北編 31 side:T ページ31
31 side:T
次の土曜日の朝、俺はミツに教えてもらった場所に一人で向かった。ミツは時間的に少し早く行くといって、先に現地に向かっていったようだった。車を駐車場に止めて、俺は建物の看板を読む。
「・・・ここ、撮影スタジオ?」
中に入るとすぐに見慣れた背中が目に入る。
「あれ、今日玉も来る予定だったんだ」
北山さんが来るとしか聞いてなかった、とカメラをセットしながら、少し不思議そうな顔で二階堂が俺を見つめてくる。
「んー、何となくは聞いてるんだけど、俺もとりあえずここに来るようにしか言われていなくて。結局今日って具体的に何をする日・・・」
「・・・うっ!玉!?何でここに!?」
「その声はガヤ・・・って、えっ!何でその格好してるの!?」
「・・・藤ヶ谷さーん、マジ女神・・・!」
俺と二階堂の前に現れたのは、ハロウィン音楽祭で女装をしたときの格好をしたガヤだった。俺の顔を確認した瞬間に、顔を真っ赤に染め上げて視線を下に向ける。その仕草が女の子そのもので思わずドキッとしてしまいそうになった。
「さすが、クイーン・ガヤ・・・」
「やめろ、その呼び方!というか誰もそんな呼び方してないから」
「・・・ということはもしかして・・・!!」
「待って、藤ヶ谷・・・あ、玉ちゃん!」
「北山、玉を呼んでるなんて聞いてないけど」
「だって・・・大切な人に隠し事したくなかったから・・・」
「ミツ・・・可愛い〜〜〜!!」
ひょっこりとガヤの後ろから姿を見せたミツも、その時の女装で身に着けていた黒のワン ピースで、俺は堪らずミツに突進するかのように駆け出した。
「ミツ!ミツー!!」
「いやぁぁぁ!玉ちゃん、スカートの中に顔を入れちゃだめっ!!」
だから玉ちゃんが狂うと思って内緒にしてたの!!とミツはスカートを抑えながら、俺の頭を一生懸命スカートの中から押し出そうとしている。ハロウィン音楽祭の後、俺はミツを半ば強引にそのままの格好で連れて帰って、その日は夜通し着衣のまま抱き合ってしまったのだった――
「藤ヶ谷・・・ということで後はよろしく・・・あんっ、玉ちゃん!変なところ舐めないで!!」
「・・・えーと、藤ヶ谷さん・・・俺もスカート捲っていいですか?」
「・・・ダメに決まってるだろ!ほら、写真撮影始めて!」
「はーい」
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作者名:ほわわ | 作成日時:2018年1月15日 0時