カップル玉北編 19 side:K ページ19
19 side:K
「実際ガヤさんって・・・どうなんだろうね」
「キタミツのこと?うーん、ガヤさんって本音を表に出すタイプじゃないからなぁ」
「いつもクールだしね」
横尾さんが一人で盛り上がってるだけかもしれない、と千賀と宮田は首を傾げている。今のは藤ヶ谷が俺のことを好きかどうかという話なのだろうか。そんなこと聞いたことないし、よこーさんがいつもそんなつもりで言っているなんて思ってもみなかった。それに玉はいつもよこーさんにプレッシャーをかけられているって・・・いつも俺には優しく微笑んでくれているからそんなこと気がつきもしなかった。
「北山さんだってプレッシャー負けしたら・・・」
「だ、大丈夫だよ」
俺の言葉に、三人の視線が一斉に注がれる。
「だって・・・俺・・・じゃなくてミツは・・・玉ちゃんのこと大好きだから・・・!」
「「「・・・」」」
俺、今凄く恥ずかしいことを言った、と顔を真っ赤にして俯くと三人が静かになったので、恐る恐る顔を上げると、三人は席を離れて、こそこそと何かを話し合っている。
「・・・宮田、今日の玉が何か可愛いんだけど」
「だからさ、朝、言ったじゃん。嫁自慢とかじゃなくてマジで可愛いんだよ」
別人みたいじゃね?という二階堂の声がはっきりと聞き取れ、俺はまずい、と冷や汗をかいた。
「お待たせいたしました、取材を始めますー!」
良かった、と俺は記者さんを安堵の笑顔で出迎えてしまう。ほら席に着け!と他の弟組に呼びかける。
「・・・それでいてやっぱり男らしいんだよなぁ・・・キタミツみたい」
宮田の独り言は完全に聞こえていたが、まさか俺の中身は実はミツですー、とは当たり前だけど言えなかった。今回も何も聞こえなかったふりをしてスルーする。
それにしても取材自体は凄く助かって、賑やかな三人が話を進めていってくれるので、俺は黙っていても全く差し支えないほどだった。玉もそんなにはりきって喋るタイプではないだろうから、ゆるふわな感じで答えていればいいだろう。大事な恋人のことなら何でも分かる、と俺ははにかみながら答えていた。
「今日の玉森さん、笑顔が多くていいですね!」
えっ、と俺は記者さんの言葉にびっくりしてしまう。俺の前の玉はいつも笑顔だからそれを思い浮かべていただけなのに――いや、だから俺は顔を綻ばせているに違いない。大好きな玉のことを想うだけで俺は・・・にやけてしまっているのかもしれない。
next→20
カップル玉北編 20 side:K→←カップル玉北編 18 side:K
304人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほわわ | 作成日時:2018年1月15日 0時