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11 side:K
-2018年-
「今回のライブの衣装、玉ちゃんがデザインしてくれたんだよね」
玉ちゃんはセンスがいいから楽しみ、と俺はウキウキした足取りで、ライブの衣装が置かれている部屋へと向かった。扉を開くと、玉が衣装のチェックしているようだった。
「ミツ、待ってた」
衣装調整するからおいで、と言われて俺は玉に駆け寄る。手の届く距離まで来ると玉の腕に強く引かれ、その胸の中に飛び込んだ。
「じゃあ、採寸しますー!」
「玉ちゃん・・・もう衣装はできあがっているでしょ!」
バレた、と玉は口元に笑みを浮かべ、俺の全身を撫でまわすのを止めたようだった。額にそっと唇が寄せられると、もう少しだけ抱きしめられていても良かったかな、と俺は自分に苦笑いをしてしまっていた。
「今回の衣装さ、みんなの衣装の背中にその人にあった言葉を入れてるんだ」
例えばこれ、と玉がクルッと背中を向けると、玉の背中には“Naturalist”と書かれている。確かに、と俺は思わず口元に笑みを浮かべてしまった。じゃあ俺の背中には、と俺は自分の衣装が並べられているラックに目を向ける。ピンク色のブルゾンっぽい衣装だ。
「ミツはブルゾンとか似合うから・・・ピンクもそんなに派手じゃない色だからいい感じだと思うよ」
「ありがと、玉ちゃん・・・!」
本当にみんなのことを考えて衣装をデザインしてくれたことを実感してしまう。さてさて自分の背中には何て書いてあるんだろう――“俺の恋人”とかまるでどこかのお菓子のようなキャッチフレーズが書いてあったらどうしよう、とありもしない想像を巡らせて自分でフフッと笑みを零してしまう。ワクワクしながら俺は衣装をクルッとひっくり返した。
「・・・えっ、“SMALL”・・・!?」
黒く大きな文字で書かれたその文字に、そんな分かりきったこと(認めたくはないけど)を書かれるなんて、と俺は少し唖然として言葉を失ってしまった。
「ミツの服って本当に可愛いよね、キッズ用みたいで」
「・・・うん・・・」
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作者名:ほわわ | 作成日時:2017年12月6日 0時