まえあし短編集 (ページ10)

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struggle jointly 9（藤→北←玉）ページ10

struggle jointly 9

――またまた別の日。

　俺たちは改めて“北山の身体に直接教えちゃうよ作戦”の内容を確認する。

①そういうことができる場所へ誘う。
②とりあえずそういうことに対しての反応を伺う。
③後は勢いでそういうことをする。

「・・・これ作戦って言えるの？」
　今更なんだけど、と玉森は作戦の紙を見て顔を顰めた。
「そうか、作戦名も書いておくか」
　そういうことじゃなくてさ、とツッコミを入れる玉森をスルーして、藤ヶ谷は紙に作戦名を書き込んだ。
「とりあえずどこへ北山を連れて行くかだよな・・・」
「ホテルとか？でもいきなり誘ったところで警戒されるよね」
　ホテル、と藤ヶ谷は紙に記載する。ホテルのバイキングとかで誘って・・・とかなのかもしれないが、わざわざ予約しておいて断られた時のダメージ(金銭的にも精神的にも)はでかそう、と二人は天井を仰ぐ。
「というか、どっちかの家とかがいいんじゃない？誘いやすそう」
　たまには家で飲もうよ、くらいの感じで誘えるよね、と玉森はうんうん頷いた。うーん、と眉を顰め難しい表情で藤ヶ谷は玉森に視線を送る。
「・・・その場合は玉の家でもいいか？」
「えっ、まぁいいけど・・・何で？」
　神妙な顔で頼んでくる藤ヶ谷に玉森は首を傾げた。
「北山を酔わせてとりあえずそういう展開になって、三人でそういうことをしたとするだろ」
　はいはい、と玉森は頷いた。
「作戦が成功したら、俺と北山は付き合うことになるだろ」
　んっ？と玉森は唐突な藤ヶ谷の発言に目を丸くする。仮定の話でいいですか、と玉森は唇を尖らせるが、藤ヶ谷はもうそのときのことを想像しているのか、ニヤニヤと口元を緩ませていた。
「・・・そうすると、俺の家で北山と結ばれる都度、三人でやったことを思い出しちゃいそう」
「あーなるほど、って何をもうミツと付き合った気でいるんだよ！？」
　ミツと付き合うのは俺です、と玉森は抗議するが、全く藤ヶ谷は気に留めていないようだった。鼻歌を歌いながら、デートにおすすめスポットみたいな本を読んでおり、すでに北山との未来を見据えていろいろシュミレーションをしているようだった。
　まったくガヤは！と手を組もうと言いながらも藤ヶ谷の相変わらずの勝手な物言いに、玉森は頬を膨らませる。
「そういえば、好きな人の前以外で脱ぐのが恥ずかしいとかなんとか言ってたけど、その辺はクリアしたの？」

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