まえあし短編集 (ページ4)

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struggle jointly 3（藤→北←玉）ページ4

struggle jointly 3

――それから別の日。

「で、そろそろ何かいい案は浮かびましたか」
「・・・(そうだなー・・・)」
「そうこうしているうちに結構時間経ってるからね」
　もう一か月くらいは経ってるよ、と玉森は呆れた顔で隣に座る藤ヶ谷に視線を送る。もちろんこの間、目的の人物との距離は一切縮まっていない。
「しょうがないだろ、何も思い浮かばねーんだから！」
「えっ、ガヤ、自分で振っておいて逆ギレって・・・」
　ないわー、と玉森はちょっと引き気味に唇を歪ませた。
「じゃあ玉、お前は何かあるのかよ！」
「そんなの三人でホテルとか行ってそういうことすればいいんじゃないの？」
　玉森の発言に藤ヶ谷は瞳を丸くした。
「鈍くて純粋なミツでも、そこまですれば俺たちが恋愛感情で好きって言ってるって分かるでしょ」
　早速日程でも決めようか？と淡々と携帯をいじる玉森に、藤ヶ谷は驚愕した表情を見せる。
「えっ、た、玉森さん、な、何を言ってるの？」
「えっ、だってそういう意味で言ってるのかと思ったよ」
　むしろこっちがびっくり、という顔で玉森は藤ヶ谷を見つめ返した。だって、と急にもじもじし始める藤ヶ谷に、玉森は、なるほどね、と頷く。
「ガヤもさー、ミツのこと大事にしたいのは分かるけど・・・」
　そうじゃなくて、と藤ヶ谷は小さく手を振って見せる。
「いや、俺、玉の前で全裸とか無理」
　そういうのは好きな人にしか見せたくない、と藤ヶ谷は顔を赤らめる。
「はあっ？何で急に女子っぽくなるの、そこで」
「だから、北山にしか見せたくない」
　地味に俺に失礼だな、と玉森は眉間に皺を寄せた。
「じゃあ、ガヤは服着たまますればいいでしょ」
「そんな不真面目な感じで北山との大事な初夜を迎えられるわけないだろ！」
「もーなんなのさっきから！というかミツと初夜を迎えるのは俺ですー！」
　二人は向かい合っておでこをくっつけていがみ合いをはじめる。
「玉、やっぱりお前とは先に決着をつける！」
「なんなの、本当に！手を組もうって言ったり言わなかったり！」
　さすがに怒るよ！と玉森は立ち上がり、藤ヶ谷をソファーの背もたれに突き飛ばした。藤ヶ谷も立ち上がり応戦し始める。

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