まえあし短編集 (ページ3)

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struggle jointly 2（藤→北←玉）ページ3

struggle jointly 2

藤ヶ谷と玉森はお互い同時に北山の方を向く。
当の本人はその視線に気が付く様子もなく差し入れのお菓子をパクパク食べていた。
そんな北山に千賀が歩み寄る。
「ミツ、俺も食べていい？」
「いいよ、すっごくおいしい。俺、これ大好き」
「「・・・」」

二人はお互いの視線を元に戻した。
「えっ、もしかして俺らお菓子と同じレベルってこと」
「さすが北山・・・一筋縄ではいかねーな」
「あの純粋なところがまたいいんですけど・・・ねぇ」
気持ちを伝えたのに伝わっていないことがもどかしい、と二人は腕を組んで天を仰いだ。
「少し荒療治したほうがいい・・・か？」
「・・・と、言いますと」
「北山に俺たちが恋愛感情で好きだと言っていることを認識してもらう」
「・・・そうなるまで手を組むってことですかね」
「北山があの感じだとあと10年くらい経っても気が付かないかもしれねーし」
確かにそれは困るね、と玉森はお手上げと言わんばかりに小さく両手をあげた。
「その過程でミツがどっちに惚れても恨みっこなしでいいなら」
「・・・いいぜ」
「・・・のった」
藤ヶ谷と玉森は口元に笑みを浮かべて、固く手を握り合う。
「ガヤ、ところでどうやって認識してもらうの？」
「・・・(そうだなー・・・)」
「いや、絶対考えてなかったでしょ」

「あの二人さっきから仲いいけど、何してんのかな？」
千賀の言葉に、北山は口をもぐもぐさせながら、さー？と首を傾げて微笑む。
「メンバー同士仲がいいって最高じゃん？」
これが俺らの絆だよな、と北山は千賀の肩に手をかける。
「そうだね・・・っ！！(ビクッ)」
先ほどまで笑いあっていた藤ヶ谷と玉森に尋常じゃないほど鋭い視線を向けられていることに気づき、千賀は身体を震わせた。
「健永・・・ちょっとこっち来い」
「・・・絶対嫌だ！！」
一目散に逃げだした千賀を追って、藤ヶ谷と玉森も部屋を飛び出していく。
そんな様子を北山は微笑ましそうに見つめると、テーブルの上のお菓子に再び手を伸ばした――

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