まえあし短編集 (ページ2)

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struggle jointly 1（藤→北←玉）ページ2

struggle jointly 1

♪～♪～
「ガヤが鼻歌を歌うなんて珍しいね」
何かいいことでもあったの？と雑誌を読みながら玉森は隣に座る藤ヶ谷に声をかけた。
「えっ、分かる？」
「うん、だから鼻歌」
そっかー分かっちゃうか、と藤ヶ谷は急ににやけ始めた。玉森も思わず視線を向ける。
「昨日、ついに北山と想いを分かち合ったというか・・・結ばれたというか」
「・・・っ、はぁっ！？何言ってんだよ、ガヤ！！」
「もー本当に昨日の頬を赤らめた北山の顔、可愛かった」

“んっ、藤ヶ谷？”
何か忘れ物？と楽屋を最後に出た北山が藤ヶ谷に駆け寄ってくる。
忘れ物といえば忘れ物かも、と藤ヶ谷は目の前の北山をそっと抱きしめる。
“えっ、何、何を忘れたの？”
「お前にちゃんと気持ちを伝えるの忘れてた・・・北山、好きだ」
ギューっと藤ヶ谷にが腕に力を込めると、ちょっと苦しい、と北山は顔を紅潮させた。
“ありがとう、藤ヶ谷。俺も大好き”

「・・・って、どんな力でミツを抱きしめてんだよ」
誰だって顔赤くなるでしょ、と玉森は明らかに鋭い視線を藤ヶ谷に向けた。
藤ヶ谷は顔を緩ませたまま聞こえないふりをしている。
「早速週末のオフには二人でドライブにでも行こうかと思ってさ」
ホテルとかも予約したほうがよいかな～とスマホを手に取る藤ヶ谷の手首を玉森が掴む。
「ちょっとそれ待ってくれる？」
「玉・・・お前も北山が好きなのは知ってるけど、こればっかりは北山の意思だからな」
そうじゃなくて、と玉森は藤ヶ谷を見据える。
「奇遇だね・・・俺も昨日ミツに告白したんだけど」

“えっ、玉ちゃん、どうしたの？”
撮影中に二人きりになった隙に、一回り小さい北山の身体を、玉森は両腕を回して抱きしめる。
北山の肩に顎を乗せ、耳元にふっと息を吹きかける。
“やだ、くすぐったいよ、玉・・・”
「ミツ、好き、大好き・・・」
すると、北山の小さい手がそっと玉森の指先に重ねられる。
“今日は甘えん坊モード？俺も大好きだよ、玉ちゃん”

「・・・って、何こんなときだけ弟属性フルで出してんだよ！」
お前ずりーぞ、と藤ヶ谷は抗議する。玉森は頬を膨らませてそっぽを向く。
「まったく先に言えよ・・・俺、今すっげー恥ずかしいんだけど」
「でもガヤの今の話がホントだったら昨日の俺の喜び何って感じだけど」
「「・・・」」

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