アケボシ5 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,177 hit

205 ページ5

ひとりぼっちの生活って、こんなにも味気なかったっけ。

たった2週間の、まだ5日目。

朝のおはようも、合間の何気ないやりとりも、夜のおやすみも、メッセージだけで声は聞けていない。

何日も会えないのなんてよくあることなのに、彼を意識してしまう空間で過ごしているからこそ

「会いたいなぁ…」

いつも2人で座るソファ、ブランケットに包まってなんとなくつけたテレビを眺める。

倫也さん、そろそろ仕事終わる頃かな。

23時過ぎ、ニュース番組はどこも同じような報道で。

水槽の彼は相変わらず漂って、ケージの彼は回し車に忙しそう。

1人の時は何にも感じなかった時間も、2人を覚えると物足りなさが押し寄せてくる。

電話…してみる？

思い切って押した通話ボタン。

何度かコールしたけれど、出る気配はなくて。

かけなきゃよかったなぁ、って。

明日も仕事だし、寝なきゃ、と部屋の明かりを消した瞬間、玄関で物音。

「…え？」

真っ暗な部屋に、ガチャガチャとドアノブを触る音。

怖くなって、携帯を握りしめたままへたりこんだ。

目線はドアから離せなくて、心臓がドクドク大きく脈打つ。

ガチャン…ガコッ

鍵が開いて、ドアロックに引っかかる音。

「あれ、Aちゃん寝てる？」

「っ、倫也さん！？」

「あ、起きてた。開けてー。」

慌てて電気をつけて、駆け寄ってドアロックを外した。