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『自分が危なくなれば、彼が助けに来てくれると、夢を持ってしまったから。』




私がそう言えば、彼女は銃を下ろし、涙をポロっと流した。




看守長「えぇ、そうよ。いろんな人に馬鹿にされ、自分でも可笑しいとは思っていた。でも、どうしても、あの人から何か一言、言ってほしくて……でももう、限界よ。」




『……』




看守長「さい、ごに言わせてもらう…。あの方についてよ」




看守長はふらふらと歩き、私のもとへゆっくり向かってきた。
そして彼女のお腹から床へ落ちていく血。




ク「!A、避けなさい!!!」




急にそう言われ、頭では分かっているはずが体は動かず…。
看守長の匂いがふわっと漂うのと同時に、腹に激痛が走った。




『つ…っ』


ク「Aっ!!!」




看守長「最後まで、貴方の傍に…」




看守長はそう言い、ナイフから手を放して横に倒れこんだ。
……こンの、野郎っ

まだ抜かれなかっただけ有り難く、私はゆっくりと床に座り込む。
あぁ、もう。あの6人にバレるじゃないか




ク「しっかりしなさい!」




看守「止血剤です!早くこれを!」




看守くんは、強制的に私に止血剤を使ってきた。
……少し痛いよ。




『いいから、早くここを出よう…っ。』




ク「何言ってるの!動かない方がいいわ!」




看守「そうですよ!」




『そんなこと言ってる場合じゃないの…。
それにこんな言ってる暇あれば、私は1人でも今すぐここを出て行く…っ』




ゆっくりと立ち上がり、ナイフをずるっと抜いて階段を上っていく。
だけど痛みは止まらず、ふらっとよろけてなかなか階段を登れない。




看守「…っ失礼します!」




『わっ!?』




私の体は宙に浮くのと同時に、目の前には看守君の頭。
……男前なこった。




ク「ここから出たとして、貴方はどこに行くの?」




看守くんにおぶられ、階段を駆け上がりながらクリスにそう聞かれた。
あっ、そっか。話してないんだった




『私は森の中で静かに息を引き取る予定』




ク「…嘘は大概にしなさい」




『ははっ』




信じるか信じないかは、あなた次第でーす。

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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2023年2月24日 0時) (レス) @page24 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
うた - めっちゃ面白くて他の話も全部読みました!いつでも待ってます!ゆっくり休んで下さい。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 13810d1766 (このIDを非表示/違反報告)
湊/Minato - 更新停止!?まじか!すっごく面白いです!!続きがとっても、気になります!!! (2021年2月16日 21時) (レス) id: e6fd04cefe (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月*小夜セコム隊(プロフ) - フラグ回収はっや← (2020年12月5日 21時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
モモンノミ(プロフ) - 久しぶりです。ゆっくり休んでください!いつまでも待っていています(^_^*) (2020年11月27日 17時) (レス) id: a122e0455d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイシャルト | 作成日時:2020年9月20日 17時

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