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シルクside

公園の近くにある駐車場に車を停めて全員で走った。

入口についた時にはもう19時回ってて、公園内は街灯の光で照らされているけどなかなかに暗かった。

ン「はぁ、はぁ……。」

ザ「A、どこ……?」

全力疾走したから、ほとんど全員ばててる。
目もしぱしぱしてて、暗いから周りが見えづらい。

きょろきょろと広い公園を見渡して、全員でAを探そうと1歩踏み出したとき。

キィ…キィ…という音が聞こえた。
音のほうに目を向けると、誰かがブランコに乗っているのが分かった。

目を凝らしてみると、女の子だ。
こんな時間に?と思っていたらモトキが「あっ…」と声を出した。

モ「あれ、Aだ…!」

『えっ!』

もう一度よく見た。
最後に会ったのが高校1年の終わり。
もちろんその時から一切変わってないなんて思ってなかったけどさ。

なんか髪の毛伸びてるし、服装も以前より大人っぽくなってて。

モトキ以外のぽかーんとしてる他の奴らもたぶん同じこと考えてるんだろうな。

…にしても。

『あいつ、なんでブランコなんか乗ってんだ?』

ぺ「懐かしすぎて童心にかえったとか?」

ダ「いや、そんなわけねぇだろ。」

マ「……なんか、どんどん高度あがってね?」

マサイに言われてまたブランコのほうに目を向けた。
さっきと比べると確かにブランコの高さがどんどん高くなってきている。
あれ?なんか見たことあるな。

『……ブランキングファイト?』

俺のつぶやきに全員がはっとした。

モ「でも、Aってあれできなかったよね?」

ン「う、うん。手を離すのが怖くて結局できなかったって…。」

ザ「…え?ちょっと、まさか…。」

最後のザカオの言葉で全員一斉にブランコのほうに駆けだした。
もう少しってところで、予想通りAがブランコから手を放して空中に身を投げ出した。

なんか、スローモーションだった気がする。

空を飛んでるAがこっちに気づいて目があった。
そしたらあいつ、バランス崩しやがった。

危ねぇ!!

「「「「「「『A!!!!』」」」」」」

落下地点に全員で滑り込んでAを受け止めた。
でも人ひとり落ちてきた衝撃に耐えられなくて、みんなして地面に倒れこんだ。

各々が一斉にAに大丈夫かとか、怪我はないかとか声をかけて。
俺もそれにのっかって危ねぇだろ馬鹿何やってんだって言いかけて、言葉が詰まった。

Aがボロボロ涙こぼして泣いてたから。

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作者名:リィオ | 作成日時:2018年5月1日 1時

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