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頼んだいつものコーヒーを飲む先輩
匂いはすごくいい匂いなんだよね、飲めないけど。
いつか私も飲めるようになるのかな
ミルクティーを吸い上げながら私は考える
「Aは感性が豊かなんだねえ」
『そんなことはないです…』
「本を読んで泣くことあるなんて、すごいよ!俺はないから…そもそも俺はあまり感情の区別がつかないから」
『区別?』
「そう、区別」
区別ってなんだろう
嬉しいと悲しいの違いが分からないとか?
『今の気持ちは?』
「楽しい。きみと一緒にいる時間はすごく楽しいよ。ただ…そうだ、他のことに関してはよくわからない!」
『ん?っと…』
「まあ分からないよね。実は俺もよく分からない!」
ニマーっと前歯を剥き出しにして笑う先輩
ガキンチョが無邪気に笑ってるみたいでちょっと可愛い
もしも立場が逆で、もっと私が心の底から笑える子だったら、きっと童磨先輩のことワシャワシャしていたかもしれない
それくらい犬みたい、いや猫みたい?だから
「なんていうか、俺は本をたくさん読むから色々な言葉を知っているつもりだったけど…これだけは言葉が見当たらない。うまく言い表せないんだけど…きみと…Aと一緒にいると、心、なのかな?胸の奥がギューっとして、チクリとして、振り子のように大きく揺れて、ドクンドクンと音をたてるんだ」
刹那の瞬間、私はこの甘いミルクティーの中にこぼれ落ちそうになった
いや、もう……心丸ごと、落ちてしまったのかもしれない
ねえ先輩
それはね、きっと
きっとね
「これ、なんだと思う?Aはわかる?」
『分かりますよ』
分かるから
先輩、これはね、
____なんだよ
でも…
『でも、まだ教えてあげません』
教えられないんです、先輩
私は________
「えー?そんな意地悪するなんてほんとに罪な女だなあ」
『えへへ』
わざとらしくおどけて見せる。この奥深くにある感情を、先輩と似たような感情を隠すかのように。
先輩といると私は、突然素をさらけ出してしまいそうになる
せっかく私は私を押し込んで私を作っているのに
「ねえA?」
先輩は微笑む
心なしか頬が赤い
「またこうやって話したいな」
ギュッと痛くなる胸
私は自信がない
怖い
でも、期待してもいい?
信じてもいい?
先輩
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レイ(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» きゃあ!好きだなんて言っていただけて光栄です( ; ; )待って(笑)サイコロナステーキ先輩は笑いました(笑)ルイマさんも、お身体にお気をつけてくださいね(^^) (2020年5月7日 22時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - すごい好きな作品です最近例のウィルスで大変ですよね 悪鬼滅殺ならぬ悪菌滅殺!がんばりましょう!サイコ口ナステ一キ先輩にまけるなっっ! (2020年5月7日 17時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - mustardさん» わあん!コメントありがとうございます(泣)作家、、なれるならなってみたいです(笑)あっ、、心臓がなくなっちゃう…みたいな話が好きなんです!素敵だなんて言っていただけて本当に嬉しい限りです( ; ; )私はmustardさんについていきます…!!! (2020年4月25日 15時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - 作者さん…本当作家さんなりましょ???ヒナちゃんみたいに()甘酸っぱくて切なくて。それが繊細に書かれていて、凄く素敵な小説だと思いました…!もう作者さん一生ついて行きます…!!! (2020年4月25日 6時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» お久しぶりです〜!どうなるんでしょうか、、弐の方で大きく話が動きますので楽しみにしていてください!わあ、、楽しみの一つだなんて光栄です(泣)一気更新を目指してたくさん書いていますので、しばしお待ちを〜!本当にお互いに安全第一で過ごしましょうね! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年3月3日 11時