先輩は教祖らしい 壱 【童磨】

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『炭治郎…？』

「権八郎！食わないなら俺がもらうぜ！」




もう食べ終わったんかい！


トリプルを全部食べ終わった伊之助は、真っ青になった炭治郎のアイスを横取る


一口だけなのかと思ったら全部食べちゃうし。


炭治郎、可哀想に…




『炭治郎…これ食べる？』



チョコとイチゴのミックスされたやつだけど、一応イチゴ入ってるから…



「あ、俺、それ食べたい」

『ダメ。これは炭治郎にあげるの！』



横から口を挟む善逸を睨みつけるようにしてカップを守る


絶対絶対あげない！



「あぁ…いや、いいぞ！Aが食べてくれ！」

『え、いいのに…』

「俺が食べるう！！！これ、お前が好きな味だろ？交換しようよお？」



どうしても食べたいのか。善逸は…


たしかに私の好きな味を買ってるけど




『ん、ちょーだい』

「はい」




善逸からほとんど食べたカップを受け取って、アイスを口へ持っていく


私はまだ全然食べてないのに。



『うん、美味しい』

「なんでこれ入れなかったんだよ？」

『うーん、なんとなく？ねえ、炭治郎もこれ…』




食べる？


そう訊こうとして炭治郎を見ると、さっきとは打って変わって顔を真っ赤にしている



「そういうことは他所でやってくれ…」




声にならない声で呟く炭治郎




『え、炭治郎、もしかして』

「A、やめてやってよ」




あ、察し


炭治郎、間接キスとかに免疫ないんだ…


カナヲをメロメロにさせてるはずなのに、当の本人は付き合ったこととか…なさそう



『炭治郎、がんば』

「え？」

『ま、そーゆーことだよ』




エールの意味を込めて、炭治郎の肩にポンと手を置くとまた頬を赤らめる


少女かよ……




「あーー！！ウマかったぜ！紋逸、それ食っていいのか！？」

「伊之助ダメ！これはAの！」

「チェッ！」



炭治郎から奪ったアイスももう完食した伊之助


やっぱり食べ方が汚いから口の周りはチョコやらイチゴやら、色々ついてる


もう、こんな食べ散らかして…って口の周りを拭いてあげたい衝動に駆られる


伊之助って母性をくすぐる天才なのか…？


いや、天性？




『ねえ、そういえばさ』

「どうした？」




私が言うと3人はこちらを一斉に向く


なんとなく思ったんだよね

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