・(JN) ページ44
最後のお疲れ様会もお開きになって。
普通に考えたら、駅で二人が下りるんだからAちゃんも下ろしてもいいところを“車で家まで送る”って言う意味、君は気付いてくれる?
今日こそ告白するんだと決めて、たまに来る夜景スポットへ車を走らせた。
普段なら少しくらい沈黙があっても気にならないけど、今日は…
時間が3倍くらいに感じてしまう。
『ねぇ…先生?』
何度か沈黙が続いて、Aちゃんが口を開いた。
「あっ…なになに?」
ふー、と息を吐いた。
『ソクジン先生……
この一年、本当にありがとうございました』
「えっ、そんな改まって言わなくても…」
『ソクジンさんがいたから、新卒で一人でも頑張れたんです』
「………うん」
なんか一年を振り返るような言い方に、ちょっと違和感があった。
『先生、こんな私に本当に良くしてくれて…』
「ん、20代の代表としては面倒みるのは当然だよ!」
あー、ボク何、言ってるんだろ…
そういう理由だけじゃない。
Aちゃんのこと… 好きだからこそ、なのに…
彼女の言葉を遮る言葉が見つからない。
『一年間、頑張れたのは…ソクジン先生のおかげです…』
「…やー、そんな…こっちこそありがとうね」
Aちゃんが僕を見た。
ちょっと潤んでるような、泣きそうな顔。
なんでそんな表情なの?
『…ソクジン先生がいてくれたから…私…』
あれ?Aちゃん、さっきと同じこと言ってる?
『だからあの時…嬉しかったんです…』
「…あの時?」
『…忘年会の日…先生と…あぁなって…』
「え…」
Aちゃんがじっと僕を見る。
『わたし……ずっと…』
あれ? …この流れはもしかして??
『わたし、ソクジンさんのこと…
すき…』
「ちょ、ちょっと待って!」
思わず、彼女の腕に触れて言葉を止めた。
『え…?』
な、なんか僕の間違いじゃなきゃ、好きとかいう
嬉しい言葉が聞こえてきた気がするけど…
これは自分から言わなきゃ!
「…あのね、Aちゃん」
『…はい』
二人の視線が絡む。
「…えっと、Aちゃん。
僕もAちゃんのこと、好きなんだ」
彼女の体がぴくっと動いた。
『…え………!?』
「…好きだよ」
彼女のぎゅっと握りしめた手に触れた。
指をほどいて絡ませる。
彼女はこちらを向いたまま、目をぱちくりさせていた。
『…ほんとに?』
「本当だよ?」
『うそ…』
両手で口回りを覆って、信じられないといった感じ。
無理もないよね…
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Lavandula(プロフ) - れいんさん» ご報告、ありがとうございます。編集してみましたが、変換出来てるでしょうか? (2022年7月8日 2時) (レス) id: a48b55d763 (このIDを非表示/違反報告)
れいん(プロフ) - (名前変換できないみたいです💦) (2022年7月7日 22時) (レス) id: e390563a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lavandula | 作成日時:2022年6月24日 12時