四十一話 ページ41
「ここにもいないか…」
江戸川は悔しそうに拳を握ると、目の前の家を見上げた。
…両親が生きていた頃住んでいた家だ。というかぶっちゃけあのバーとどちらかの家にいないとなると正直心当たりがここしかない。
「時間が無い…お姉さん、他に心当たりは！？」
「無い」
「悠長にスマホ操作しながら言うなよ…」
江戸川や沖矢さん、安室は悔しそうに顔を顰めている。…別に騙したわけじゃないし、心当たりは他に本当にここくらいしかなかったのだ。
だけどこんな時のために保険かけておいて正解だった。
「居場所、見つけた」
「…え？」
「ここから車で数十分」
私はスマホをポケットにしまうと、安室の車の助手席に乗った。他三人も慌てて乗ったが、流石に急過ぎるのかどういうことだ、という顔をしている。
「…これ見て」
私はしまっていたスマホを三人に見せ、安室に車を発進させた。
＿＿＿『例のヤツ、おっちゃんだと思う』
私は先程おっちゃんの店に行く前のタクシーで、確かにそう言った。
「…山江さんの事？」
「そう」
両親が死んだ事は、藤堂さんには言ってない。…おっちゃんは私の事言う人でもない。だから自ずと見えてきた。両親がきっかけで目を付けられて守る為に…って、その話を聞いてもうおっちゃんしか出てこなかった。
だが、それと同時に私の頭の中にはもう一つの疑問が生まれていた。
「…何故藤堂さんも行方不明に…？」
おっちゃんのように、ハッカーとしての正体がバレそうになって捕まりそうだから逃げる、というのはわかる。…だが何故藤堂さんまでいないんだ？
「ねえお姉さん、その藤堂さんの事なんだけどね…」
江戸川は口を開くと、再び質問をした。
「藤堂さんは、お姉さんと仲がいいんだよね。どうして仲良くなったの？」
仲が良いわけではないが。…でもまあ、少年の質問ならば答えておこう。少年に聞けることも一つ増えたことだし。
「私と藤堂さんは同時期にここに引っ越して、ご近所になって、おっちゃんに借りがあるから」
「…同時期に？」
江戸川は私の言葉に何かが引っかかったのか、一単語だけに反応した。それからの江戸川は黙り込んで、何かを考えているようだった。
「…藤堂さんについて知ってるなら教えて」
私は圧をかけるように江戸川をキッと見つめた。江戸川は、溜息を吐いた後に数秒置いて答えた。
「…藤堂さんの正体。二つ仮説があるんだ」
「一つはお姉さんと仲良くなって、利用しようとしてた裏の人間」
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メランコリスト - Whiskyさん» 個人的にもスコッチさんは好きだったので生かしました。最後までご覧下さりありがとうございます。楽しんでもらえたのなら作者として嬉しく思います。 (2019年8月17日 1時) (
レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
Whisky - やっぱりヒロは生きてたんですね！押しなので嬉しいです。すごく面白かったです。 (2019年8月17日 0時) (レス) id: e4b3f2a326 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - まゆさん» この作品を見て下さりありがとうございます。続きが気になってもらえるとは…これからも面白いと思ってもらえるよう頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 19時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月14日 19時) (レス) id: 35cf1a0a87 (このIDを非表示/違反報告)
メランコリスト - 氷雨さん» まさか応援コメが来るとは…ありがとうございます。ご期待に添えられるかどうかは分かりませんが、頑張ります。コメントありがとうございました。 (2019年8月14日 2時) (レス) id: 8d9394cd19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メランコリスト | 作成日時：2019年8月11日 15時
