検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:15,869 hit

*** ページ3

「ねぇ、A。」

「なぁ、に、わたる、」

「気分は?」

「しあわせ、」


いつもそうだ。俺といれば幸せって必ず言うんだ。


この可愛い奴め、


なんて、言いたいんだけど、

思いっきり愛でてやりたいんだけど、


言えない。


だって、君の頬に涙が流れているから。



「泣くな、あほ。」

「なに、言ってるの…?わた、し、泣いてなんか、ない、よ、?」


あぁ、初めてだ。
そんな綺麗な涙を流す人を見たのは、


「絶対、離せねぇからっ、」

「んふ、いっけめぇ、ん、」


ふんわり丸まる目尻、優しくあがる口角、ほんのりピンクに染まったその頬。


全部、大好きだ。


ただただ、握る。
握ることしか出来ない。

彼女の角張った俺よりも小さな手を。
ちゃんと指を絡めて、せっかく、恋人になったんだから。


「もうすぐ、かなぁ」

「まだ。まだだ。俺が離さないから。」

「かみさまに、意地はらないでくだぁさい、」


今だって分かってる。

荒いんだ、君の息が。

か細いんだ、君の声が。


分かってんだ。

俺のをお前にやれば、お前が生きれること。


「泣かないでよ、渉」


そう呟くお前の声が、あと何ヶ月、何日、何時間聞けるんだろう。


俺が死ねばいい話なのに、そしたら、Aは生きていられるのに。

なんで、俺なんだ、

なんで、俺がコイツの手を握ってるんだ。


逆がよかった。


運命なんて信じない。

俺が生きてAが生きれない運命なんて、信じてやらない。


でも、


「わっくん、!笑って?」



君が望むのであれば。






俺は、






「おうっ…!」





運命に抗おう _

***→←***



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 大型コラボ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:作者一同 | 作成日時:2019年10月6日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。