【歌い手】それぞれのLastPhrase Ver,A【大型コラボ】 (ページ2)

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『ねぇねぇ、うらたくん。ここ分かる？』

「ん？あぁ、ここはこうして…」

『なるほど！それでこっちがこうなるんだ！』

「そゆこと。」

わー、すごいすごいなんて、笑いながら数学を解き進める彼女に
こちらも思わず口角が上がる。可愛いな、なんて思ったり。

「他は？何か分からないとこある？」

『えっとねー…ここと、ここと…』

「何それ、結構あるじゃん。この時間だけで教えきれっかな…」

『お願い！今度の小テストやばかったら大変なの……』

何て頼み込んでくる彼女、いくら俺が頭よくてもさすがにこの15分程度の中休みじゃ
限界があるんだよな……あ、そうだ。それなら少しアタックしてもいいか。

「今日、放課後暇？」

『え？予定はないけど……』

「教えてやるよ。」

『ホント！？ありがとー！！』

「ん、はいはい。」

ぶっきらぼうな返事は精いっぱいの照れ隠しで。
見えないところの手はガッツポーズをして、2人きりを楽しめる。
それに浮かれていた俺はこの後の授業でさんざん教師に怒られたのだが。

「うらさん、ホンマにAの事好きやな～」

「は！？え！？」

「え、知らないと思ってたんか。」

「いやー…あれは気が付くやろ。」

そんなに俺はばれやすいのだろうか。
まーしぃやセンラはその手の経験が色んな意味で豊富そうだからあれだけど
まさか坂田にまで気づかれているなんて。

「おーい、さりげなくディするのやめろやー」

「え、声に出てた？」

「めちゃくちゃ出てた。」

そんな会話をした昼休み、それからと言うものの1番後ろからニヤニヤとした視線を感じる。
あいつらめ……放課後覚悟しとけ…あ、放課後はだめだ、明日覚悟しておけ…

　
「Aー、行くぞー」

『あ、ちょっと待って！！』

「ん。」

ソワソワしながら彼女を待つ。ちゃんと教えられるかなとか2人きりとか緊張しないかなとか
そんなことを考えていると、例外なくニヤニヤしている3人。あいつらゼッテーしばく。

　
『ごめん！お待たせ！！』

「いや、大丈夫…いこーぜ。」

『うん！！』

　
あぁ、こうしてどんどん好きになっていくんだろうな。

『あ、またね志麻君、坂田君、センラ君！』

「おー」

「また明日！」

「またなー」

　
チクリ

『ん…？』

　
幸せいっぱいの気持ちに刺すような痛みを感じ始めたのはこの頃からだった。