異能力鬼滅の刃【文スト ✕ 鬼滅の刃】 (ページ1)

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~鰐少年編~ 壱ページ1

「有り難う御座いました。」

一人の女性が武装探偵社の事務所から出てきた。

依頼をこなし、事務所に戻ってきた敦はその女性に軽く会釈をすると、女性が敦に話し掛けてきた。

「貴方…武装探偵社の御方？」

「え、ええまあ…はい。」

敦は女性からの問い掛けに驚愕し、しどろもどろに応える。女性は敦の反応を気にも止めずにどこか煮え切らないような表情で続けた。

「武装探偵社には本当に鰐(ワニ)の少年はいないのかしら？」

「鰐の少年…？」

武装探偵社では自分の様な虎は居るが、鰐の少年は誰も居ない。

敦は少し思考に耽った後、口を開いた。

「虎の少年はいますが、鰐の少年は…」

敦がそう返答すると女性は諦めたような表情で肩を落とした。

「矢張りそうなのね…有り難う。」

女性はすっきりしない顔で敦に笑顔を浮かべて事務所から去ろうとする。

「何故その少年を…？」

敦は思わず女性を引き留め、理由を問い掛ける。

女性は敦を振り返り、言葉を紡いだ。

「詳しくは貴方のお仲間である武装探偵社の方々に伺って欲しいわ。
御免なさいね、引き留めてしまって。」

女性は最後に大きく礼をし、事務所を後にした。