菓彩あまねの懸念.4 ページ6
「ちょ、ちょっと待ってよあまね！」
朝にも関わらずカーテンで締め切られた薄暗い生徒会室から大きな声が聞こえる。
「どうしたんだ、もえ。」
もえの大きな声に、あまねは紙に手を走らせるのを一瞬止めた。
「おかしくない？
こういうのは生徒会だけで勝手に決めるんじゃなくて、生徒の意見を取り入れて決めるんじゃないの？」
もえはあまねが独断で可決させようとした案に必死にブレーキを掛ける。
「あまねちゃん…ちょっと落ち着こう…？」
「まず僕達でこの案をより良いものにするために話し合いを行うことから始めませんか？」
他の生徒会役員達も、もえに加担して口を開く。
「これはAが提案してくれたものだ。
彼女は食事が苦手であるのに、だ。」
あまねは机に広げられている資料を指差し冷たい目で言い放つ。
「…」
あまねが威圧を放ちながら周囲を見渡す。
言い返そうと口を開いていたもえでさえ口を噤んで黙ってしまった。
「じゃあ話し合いを行えば良いんだな。
しかし今から話し合いをするには時間が足りないし、Aが待っているから取り敢えず今日はここまでとする。」
あまねは他の生徒会役員達の意見も聞かず、会議を終了させてすぐに生徒会室を出ていってしまった。
勢いよく閉まった扉の音が部屋に反響した後、徐々に張り詰めていた空気が緩くなる。
「ねえ…あまねのことなんだけど…。」
生徒会長が出ていき、2番目の立ち位置である副会長のもえが全体に問いかける。
「最近あまねの様子がおかしいよね…？」
「これまでは日によって波はあったけど、最近はずっとこんな調子だよね。」
「やっぱAちゃんか〜〜」
「香椎さん良い人なんだけどね…。」
3年の生徒会役員達から疑問の声が飛び交う。
「Aって香椎さんのことですよね？
そんな大変な人なんですか？」
「この前A先輩と校門で会ったんですけど、
私が挨拶したら先輩も笑顔で返してくれましたよ？」
詳しい事情を知らない1年生達が声を上げる。
「うーん、香椎さんは良い人なんだけど…。」
もえが眉を顰める。
「香椎さんが無意識にあまねを思い通りに動かしている感じ？」
1年生達が大きく息を呑んだ。
そのうちの1人が目を輝かせて大きく息を吸い込んだ。
「それって…洗脳ってこと〜〜〜〜！？！？」
「…洗脳ではないかな。」
大袈裟な反応の後輩にもえは苦笑いを浮かべ否定した。
あまねが部屋にいた頃の重い空気はもうみんな忘れていた。
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Lynn - ラピスさん» おぉ、フィナーレ戦まで行きましたね。この調子でブンドル団である夢主（自分）をさらに強めにして下さい。後、この小説も作者さんの事も大好きです。 (12月18日 16時) (
レス) id: b7c4ae609e (このIDを非表示/違反報告)
Lynn - ラピスさん» では、無理ない程度新しくストーリー更新お願いします。このシリーズハマりましたよ！もう設定も、そのまま固定で大丈夫です。 (9月19日 9時) (レス) id: b7c4ae609e (このIDを非表示/違反報告)
Lynn - ラピスさん» なら、そのままで大丈夫です。CV追加まで頼んだ自分が申し訳なかったです。 (9月10日 9時) (レス) id: b7c4ae609e (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - Lynnさん» すみません、自分声優には詳しくなくて…CVは決めれないんです。申し訳ありません…。 (9月9日 22時) (レス) id: 5ef9e0ac96 (このIDを非表示/違反報告)
Lynn - ラピスさん» いえいえ、見てる自分も嬉しい限りなんでね。あ…プロフィールのとこに、CVつけて下さい。CV決まったら載せるのをお願いします。 (9月9日 14時) (レス) id: b7c4ae609e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピス | 作成日時：2023年4月2日 17時
