Aぇのとこの末っ子ちゃんぱーとつー！！ (ページ20)

今日:18 hit、昨日:4 hit、合計:16,304 hit

＊ページ20

「琉生からなんか連絡来た？」
「今入れてもらったって。」
「迷子になんなきゃいいけど。」
「ならねえだろ笑」

会場広いから心配なんだよね〜なんてあからさまにソワソワしてる小山さんを横目に紙袋に靴やら服やらを詰め込むまっすー。
…どっちもどっちか。

「てかもう俺らが琉生と出会って6年ぐらい？早いねぇ。」
「初めて会った時めちゃくちゃ緊張してたの覚えてるわ。」
「ガチガチだったよな。」

実はあの数日前、小山が「めちゃくちゃかわいい子がいる」って見せてきたのが雑誌に載った琉生だった。
見覚えのあるその名前に検索をかけてみたらどうやらドラマや映画にもちょこちょこ出てたみたいで。
中々ハイスペックなJr.がいるもんだなと思った記憶がある。

「失礼しますっ。」
「お、きたきた。」
「いらっしゃい、琉生。」
「すみません、ライブ前に。」
「いいのいいの。はい、ほらお菓子食べな？」

ちなみに小山は未だに琉生のことをちびっ子だと思ってる節があってすぐお菓子をあげたりご飯に連れて行ったり。
でもその度に困り眉になって「もうハタチですよ〜…」って笑う琉生が可愛くて止めない俺らも同罪かもね。

「これこの前言ってた服と靴。」
「わ！ほんまに貰っていいんですか！？」
「ん。琉生のために持ってきたから。」
「ありがとうございます！」

そうやって何にでもしっぽ振って飛びつくからこっちも気が気じゃないってのもそろそろ気づいて欲しい。

「シゲくん、新作10冊買いました！メンバーにも配りました！」
「言ってくれれば渡したのに笑」
「いや、俺が買いたくて買ったんで…あの、サインだけお願いしても…？」

いつでも言ってくれればサイン入りの本なんて渡すしメッセージだってつけてあげるのにそれでも律儀に毎回直接お願いしてくるところもまた琉生の面白いところ。

「あのっ、」
「ん？」
「20周年、おめでとうございます。これからもずっと応援してます。」

そんないちばん身近にいるファンの言葉を受けて俺たちはまた光の中へと歩きだした。