＊ ページ17
「ああ、それでねケント君。――あなたにはこの後の二週間で、私たちが一年かけて集めた情報を全部覚えてほしいの。そして、」
少女は身を乗り出して四つん這いになって、上目遣いでケントの黒の瞳を見た。
「それが終わった後、私たちは全力であなたを逃がす。そこでどうか、『抵抗組織』の人を見つけて、どうにか協力にこぎつけてちょうだい。よく聞こえる耳と速く走れる足。――そして、ドルー君のために二週間耐え抜いた責任感。あなたなら、騎士につかまらず、そして放棄せずにたどり着いてくれるんじゃないか、って思ったの」
どう、引き受けてくれる？
その音は、朦朧とした意識の中で聞く鐘の音のような響きだった。ぼんやりとしているのに、がんと殴りつけられるような。
響いた瞬間、頭の中でいろいろな考えが巡る。自分にできるのか？ もし失敗したら。勝手に逃げたくなったら。もし、組織の人を見つけても断られてしまったら――思考が回りすぎて、かえって視界で起こるすべてがスローモーションに見えるほどに。
「……兄ちゃんなら、できるよな？ だって、兄ちゃん……」
不安半分、期待半分といった様子のドルーが視界に入った。いつもならぴんと立っているひげが、力なく垂れさがってきている。
ああ、そうだ。怖い。すごく怖いさ。でも、ぼくのことを「
「もちろん」
声が震えることのないように、ケントはきつくこぶしを握りながら言った。
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紫清(プロフ) - 嵩画さん» 温かいお言葉ありがとうございます！ 読んで下さる方がいるということが何よりの励みになりますので、今後ともよろしくお願い致します。 (2020年3月16日 18時) (
レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
嵩画(プロフ) - 毎回更新される度にわくわくしながら読ませて頂いております…今後の展開が非常に楽しみです。お忙しい時期だとは思いますが、頑張って下さい。 (2020年3月16日 17時) (レス) id: 34e937d538 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - ももせさん» ありがとうございます！ 長くなりそうですが、お付き合い頂ければ幸いです。 (2019年9月26日 0時) (レス) id: 85ba6a0490 (このIDを非表示/違反報告)
ももせ - 小説版すごく楽しみにしていました！今後の展開が気になる…更新楽しみにしてます！！ (2019年9月23日 23時) (レス) id: a031215c05 (このIDを非表示/違反報告)
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