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浮上意識に目をゆっくり開けた。

体を起こし隣を見つめると北斗はもう居なかった。

布団を捲り足を床につけ立ち上がろうとした時、思うように力が入らなくてベッドに逆戻りした。

少し息苦しさを感じた次の瞬間には咳が出てしまい、体を前に屈めた。

『..ごほっ...っ...ごほごほ..っ...。』

静かな部屋には十分なくらい響いてしまい、気付けば背中を摩られていた。

『...ほ...と...っ...ごほっ...ごほっ....。』

『話さなくていい。辛いだろ??』

優しくそう言いながら北斗は背中を摩り続けてくれて、俺はひらすら早く治まってくれることを願った。

段々と治まっていけば意思とは関係なく体から力が抜けていき、その体はもう北斗に支えてもらわなければどうにもならなくなっていた。

『...ゆっくり、呼吸しよう。焦らずに。』

そう言って背中を引き続き摩ってもらい、俺は北斗の腕の中で懸命に呼吸した。

そうしていればだいぶ落ち着きを取り戻せて、ゆっくりとベッドに横にならせてもらった。

『...ごめん。』

そう言うと北斗は髪を撫でてきた。

『...謝んな。京本が悪いわけじゃない。誰も悪くない。だろ??』

『...。』

『俺が、したいんだ。してやれることは、全部したい。』

そう言われて俺は目頭が熱くなり、すぐに涙が流れた。

『...ほく、と。』

『んー??』

『...そばに、いて。』

『居るよ。』

『...ずっと。』

『ん、ずっと。』

そう言って微笑みながら指で涙を拭ってもらい、ぎゅーっと抱きしめられた。

『...もう少し、寝ような。』

『...ん。』

『...ここに居るから。』

『...ん。』

『...おやすみ、京本。』

『...おやすみ。』

そう言って俺はゆっくり目を瞑った。

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seri(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございます。今、外しました。今回、外し忘れていたみたいです。 (2019年9月16日 10時) (レス) id: 3d0ba2a134 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月16日 10時) (レス) id: 6cf0053b79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:seri | 作成日時:2019年9月16日 9時

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