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いつまでもペンが動かず、ぼーっとしている俺にお前は声をかけた。
いつも通り短く返事をするとお前は安堵した表情と共に息をついた。
ちょっとトイレと席を立ったお前は俺のためにコーヒーを淹れてくれるだろう。
そしてこう言う。
インスタントで悪いけど。
悪戯に笑って。
俺の心臓をゴミ箱に投げ捨てて。
その後は決まって言う。
飲んだらお昼寝しよう。
って。
『はい。インスタントで悪いけど。』
ことりと置かれた俺のマグカップはお前のそれより一回りほど大きい。
俺がコーヒーに口をつけたのを確認して、自分もこくりと一口。
『飲んだらお昼寝しよ。』
ほら。な？
ただひとつだけ想定と違うところがある。
お前が花咲くようにふわりと微笑んだこと。
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作者名：rey | 作成日時：2022年9月2日 9時
