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「……相変わらず、策士と言うか図々しいと言うか…」
『招かれざる客にもお茶を出すのが礼儀ってもんでしょ』
あの羊羹手に入れるの大変だったんだから、と
一体何処で入手して来たのやら
そんな高級菓子を持参して第7で
"ティータイム"をするAに
リヒトは呆れていた
目の前でひたすらジェット噴射の練習をする
森羅と紅丸と組み手をするアーサーを
思慮深く観察していた
森羅の可笑しな顔の変化に
小さくため息をついた頃
羊羹を切って茶を入れた紺炉が戻ってきた
『あら、ありがとう』
「肝っ玉の座った嬢ちゃんだな」
小皿に羊羹を取り分け湯飲みに煎茶が入っている
たまには和風なティータイムも悪くないわと
紺炉の入れた茶を飲みながら
頭の隅で考えていれば
森羅がジェット噴射に失敗して倒れた
「足の指は飛行姿勢の微調整で使ってるから下手に動かすとバランスが崩れちまう…かと言って顔で力んでも意味ないし…」
あの顔の変化はそう言った意図があったのかと
思いながらAは羊羹を齧った
寝転んで何かを考えていた森羅だったが
何も出来ていない事を考えても時間の無駄だと
判断してすぐに練習を再開した
「大概の問題は"いいからやれよ"か"やめちまえ"でカタが付くからね。彼は利口っスね」
「お利口な科学者が随分と短絡的だな」
「まずはスタートラインに立たないと考えるべき本当の問題にすら気がつかない。難しい問題ってのはやってみないと分からないから難しい問題なんスよ」
「…其処はお前も俺たちヤクザ者と一緒なんだな」
『第三世代能力者はどうしても自分自身の能力を過信して本来の力を発揮出来ない場合が多い…時には他人からの知恵を借りて見出せるけど、その能力を使いこなせるにはやっぱり自分の努力次第だから、彼らには頑張って貰いたいわね』
Aの視界の端に
アーサーが紅丸の攻撃的な吹っ飛ぶ
目を瞑って煎茶を啜る幼女に
紺炉は一瞥をくれてやった
「…嬢ちゃん、兄妹は?」
『残念だけど私に兄妹は居ないわよ』
「…そうか」
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ゆー - アアアアア紺さんと紅ちゃんも来たヨォ最高 (2020年12月3日 22時) (レス) id: a1e8810d71 (このIDを非表示/違反報告)
辰砂(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんで頂けて幸いです!このご時世ですからね…今の所体調不良は無いですが私のペースで更新しますので何卒宜しくお願いします (2020年9月9日 16時) (レス) id: 96fa6c78c6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - とても雰囲気が好きです!前作に引き続き、楽しませてもらってます。こんな世の中なので健康に気をつかいつつ、更新頑張ってください! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 23cfa4baa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:辰砂 | 作成日時:2020年8月31日 13時