1回涙を流したなら、14 ページ19
(Aside)
「ねえ...やだ、う、らた......さんっ.........！やだ......よ。」
私に覆い被さったまま、彼は動かない。微かに聞こえる心臓の音、息をする音は、ゆっくり、ゆっくりと遠くなっていく。
それが何を物語っているのか...、ハッキリと理解出来た。
「...うらさん！！.........っ血の量が多い...まふくんタオルとか血止められそうなもの片っ端から持って来て！！
それから救急車！！！早く！！」
どこかで聞いたことがあった。
刃物で刺された時は、刺さっているものを抜いてはダメだ、と。
じゃあ、その刃物が抜かれた時は...？
「坂田さ...！......らたさん、死んじゃっ......！」
「大丈夫やからっ！うらさんに声掛けて！あとそのままの姿勢でおって！きついかもしれへんけど、それが処置する時楽な姿勢なんよ...っ！」
バタバタとまふまふさん達が走り回る中、報道陣は何をしていたか。
何もしていなかった。
それはまるで、自分は関係ないかというように、“男性が刺されました”と言葉を繰り返す。
処置に手を貸すわけでもなく、我先にと私達のことをカメラに収めようと近寄ってくる。
「っ...邪魔すんなや！退け！！」
坂田さんの声は、あいつら報道陣には届かない。なんて酷い奴らなんだ。
佐倉翼はというと、そらるさんに押し倒されていた。そして、センラさんに拘束されていた。
その時もずっとあいつは笑顔を浮かべていた。
·
「いい加減にしてください！！」
まふまふさんの高い声が響き渡った。
「何なんですかあなた達は！こっちは必死にうらたさんを助けようとしてるんです！邪魔しないでください！！！
ハッキリ言って今のあなた達の行動は人として最低です！！もう映さないでください！！」
涙声のその声が、会見会場内全員の耳に行き届いた。
中には涙してる人も居た。
それとほぼ同じタイミングだった。
救急隊と警察が踏み込んできたのは。
その間もずっと、私はうらたさんの名前を叫ぶように、縋るように呼んでいた。
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あおい(プロフ) - 久しぶりに見つけて読んでみたら、やっぱりめっちゃ面白かったです……大好きです！！ (2020年12月29日 23時) (
レス) id: e7f1d7c7f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゆ - shinoさんはじめまして！この小説すっっっごい好きです！なんかうらたんがアレなところとか！（語彙力逃走中すいません）頑張って下さい！応援してます！ (2019年8月29日 20時) (レス) id: a065501dc8 (このIDを非表示/違反報告)
エル - 初コメ失礼しますっ！この小説めっっっさ好きです！！頑張ってくださいね！待ってます！ (2019年8月3日 22時) (レス) id: b8721ff069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - (´∀｀)b (2019年8月2日 7時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 人気な人ほど、アンチというか。。。よく思わない人がいたりするんです。今少なくとも作品をお気に入りにいれてる1600人近くは、あなた様の味方です。もちろん私も！更新待ってますね！ (2019年8月1日 12時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shino | 作成日時：2018年12月22日 16時
