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嫉妬6 ページ30

玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けると沖矢はこの前とデジャブを感じた。


「おや?宅配便ですか?」
「…今日は違います。」


この前赤井を追い詰めに来た時よりもさらに凄みが増している。


「先ほど、沖矢さんとAが一緒にいるところを見たので、もしかしたらAがここにいるのではと思って。」


目で射られそうな程の強い視線で尋ねる安室に沖矢は苦笑する。そして、「ちょうど良かった。」と言って奥に戻ると、沖矢はスマートフォンを持って玄関に戻って来た。


「これ、返しておいてもらえますか?Aさんが忘れて行ったので。」


その言葉に安室はカッと再び目の前が嫉妬で染まるのを感じた。その雰囲気を感じ取った沖矢は慌てた様子で付け加えた。


「車の中にですよ?あのまま彼女を自宅までお送りしたので。」


「たまたま道でお会いしたんですが、あの状態のまま放っておくわけにはいきませんでしたので。」と言う沖矢に、安室は「そう…ですか。」と礼を言ってスマートフォンを受け取った。
『あの状態』とは訪ねてこない安室に沖矢は安室がAが泣いていたことを知っていると確信した。


(まったく…。)


「私の名誉のためにお教えしますが、彼女、あなたを想って泣いていたのですよ?」
「…僕を?」
「ブロンドの美女を連れていましたよね?彼女、嫉妬していたんです。」
「っ!」


まさか彼女にベルモットと一緒のところを見られていたとは…。ベルモットに嫉妬…?安室の表情に驚きの色が浮かんだ。


「探偵の仕事だと言えないこともあるでしょうが、彼女もまた貴方に言えないでいることがあるんじゃないでしょうか。」
「……すみません、ありがとうございました。」
「いえいえ、これを言わないと貴方に刺されるのではないかとヒヤヒヤしましたので。」


ニッコリと答える沖矢に満更でもなかったと安室は乾いた笑いをした。
工藤邸から去る安室を見ながら、沖矢は玄関の扉に背を預けてタバコに火をつけた。


「やれやれ。あまり泣かすと俺が取ってしまうぞ。降谷君。」


赤井のつぶやきは空にタバコの煙と共に消えた。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時

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