嫉妬8 ページ32
「れい……さん?」
Aが震える声で降谷の名前を呼ぶと、降谷はハッとしたような顔をして「違う、こんなことがしたいんじゃない。」と呟いて、
ゴン!!!
と、自らの額をAの頭上の壁に打ち付けた。
「え?ええぇ……???」
困惑の声をあげるAの腕を自らの方へと引っ張り、降谷はAを腕の中に閉じ込めた。
「泣いているAが沖矢さんに抱かれててカッとなった…」
「ごめん。」と謝る降谷の話を聞くと、沖矢宅にAがいるのではないかと思い、彼の家まで行ったそうだ。あの通りで姿を見たのはAだけではなかったのだ。
「沖矢さんがAの携帯を差し出した時、体の血が沸騰するかと思った。もう少しで沖矢さんを殺すところだった…」
「…………え?」
随分物騒な発言にAは青ざめた。
「真に受けるな。冗談だ。」
(全っ然 冗談に聞こえなかった…!)
今、本気で殺りに行くトーンだった。絶対そうだった。………まてよ?それって….
「それって…零さん、嫉妬…?っぶ!!」
降谷の顔を見ようと、Aは降谷の胸から顔を上げると、後頭部を押され再び降谷の胸に押し付けられた。
「そうだよ、悪いか!」
押し付けられた胸から聞こえる降谷の心臓の音が速い。悪くない。悪くないどころか、
「嬉しいです…」
Aは降谷の背中側に手を回してワイシャツを握った。その行動に降谷は小さく笑ってAの後頭部に当てていた手でポンポンとAの頭を撫でた。
「俺も嫉妬しだが、Aも嫉妬、してくれたんだろ?」
ベルモットに。
そう呟いた降谷に、Aは弾かれたように降谷の胸を押し、彼の腕から離れた。
沖矢からベルモットに嫉妬したと聞いた降谷はベルモットのことをAに説明しようと口を回した。
彼女は組織の一員なんだ。潜入のために仕方なく一緒にいるんだけど、彼女、見た目は良いが中身はーー
「知ってます!そんなこと…!」
Aは叫ぶように言った。降谷は驚いて目を丸くした。
「彼女が変装の名人で、ベルツリー急行に乗っていたことも、お花見の事件で妊婦として現れた人だったことも…!」
「だったらどうして…」
Aはしまったと目を見開いた。
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chie(プロフ) - 毎回楽しく拝見させていただいています!続きも楽しみに待ってます! (2017年11月30日 0時) (レス) id: f0b8527a99 (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - かにのすけ。さん» ぉぉぉ!こういう降谷さん!!なんという嬉しい言葉!ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 藍莉さん» 更新を待っていてもらえて凄く嬉しいです!!ありがとうございます!安室さん、こんなに主人公にベタ惚れで大丈夫かなと書いてて思います笑 更新頑張ります!! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
ライス(プロフ) - 雨令さん» 安室さんはポアロのエロいお兄さんというイメージですからね笑 良かったと言っていただけて嬉しいですー! (2017年11月29日 22時) (レス) id: 558584540e (このIDを非表示/違反報告)
かにのすけ。(プロフ) - これです!!こういう降谷さんが見たかったんです!!続き待ってます!! (2017年11月28日 18時) (レス) id: 53a735ef35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライス | 作成日時:2017年9月10日 16時