Lady.England 【APヘタリア/英】 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:10,348 hit

□２１□ ページ22

ゆらりと煙が上った。

いつものことのはず、だった。それが嫌に鬱陶しく感じてしまったのは、出ていった片割れのせいなのか。

「……クソ野郎め……！」

力任せに机を叩く。先の乱闘に加え、力に耐えられなかった机はあっという間にばらばらに壊れてしまった。

関係がない。否、関係してはいけない。自分は祖国のなり損ない。日向はもう見飽きたし、太陽には見捨てられた。

それでも見たいと思ったのはなぜだろう。

自分によく似た金髪で、よく笑うあの娘の幸せを願ってしまうのはどうしてだろう。

口に出せない、表現のしようのない感情が渦巻く。フレッドは何度も何度も、壊れた机を叩き続けた。

(クソックソックソックソッ……！クソッタレ……！ )

痛みなどどうでもいい。血が流れようが、関係ない。

よくわからない、気持ちの悪いこの感情がどこかへ行ってしまうのなら、なんでも良かった。

明るい水色。煌めく金髪。何もかもが忌々しい。太陽に愛されたのは片割れなのだ。妬ましい。鬱陶しい。キモチワルイ。

「……ックソ……」

彼の言葉が脳裏に響く。彼の姿がどこにも消えない。フレッドはそれを振り払うように、乱雑に立ち上がった。

「畜生！！どうしてあいつはこうもうぜえんだよ！！」

ドアを蹴り開け、外へと飛び出す。

彼が向かうのは、果たして。