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その日。アーサーの屋敷を訪ねる、二つの影があった。
応接室に通された彼らを迎えたのは、久しぶりに笑顔を見せたエリザベスだった。
「お父様！ お会いしたかったわ、ようこそ！ 」
「久しぶりだな、エリザベス」
再会のハグを交わす二人の後ろで、不機嫌な顔を浮かべた金髪が一人。少々場違いな姿をした彼を見て、エリザベスは訝しげに父に尋ねた。
「ところでお父様。後ろの方は……？ その、お知り合いには見えないのだけれど……」
「……ああ、エリザベス。そう見えても仕方が無いだろうな。今日はお前を、この人に会わせたくてな」
「え？ 」
「この人はな」
すると、話を遮るように響いた音。視察から帰ったアーサーが、そこに姿を現した。
「すまない、視察が長引いてしまった。ようこそ、遥々我が家へ……！？ 」
言葉を切ったのは、エリザベスの姿を見たからではない。その先の男の姿を見て、アーサーは目を見開いていたのだ。
「……お前……」
「……よう。まさか結婚するなんて、俺ぁ夢にも思ってなかったぜ、兄貴」
「え……？ 」
突然夫と、見知った口調で話し始めた彼を彼女はただ見ることしか出来なかった。不相応すぎる彼が、夫や父の知り合い？ 彼は一体？
「いきなり彼と話を始めないで欲しかったよ……ほら、エリザベスが混乱してしまった」
「へっ知るかよ」
「まったく……ああエリザベス、すまないね。混乱させてしまっただろう……この人はな」
実は、お前のお祖父さんなんだ。
続く (更新停止中)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年12月28日 1時
