今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:10,343 hit
小|中|大
□18□ ページ19
.
.
「……それはわざわざ俺に聞くことか? どうせ大方の察しはついてんだろうがよ」
「君の口から聞きたいんだよ」
「とんだ皮肉の効いた下衆野郎だな、お前は」
「悪いね。だって俺、『ガキンチョ』だからさ」
ふんとフレッドが鼻を鳴らす。仕方が無いと言わんばかりに、倒した体を気だるげに起こした。
「俺はてめえみたいに、生粋の国じゃねえ。生まれた時から、どういうわけか年のとり方が遅かった。半分人間、半分国ってとこだな。だから、てめえらと違って女に子供を産ませることも出来る」
「……ああ。そうだね」
「あんときゃ、俺も青かったからな。あっちこっちで女に手ぇ出しまくってよ。たら、てめえに負けた後に報いが来た」
「祖国」と呼ばれなくなった彼に、価値を見いだせなくなったのだろう。
ある日彼が部屋を出ると、その前に籠に入った赤ん坊が置き去りにされていた。
それが、今のエリザベスの父であったという。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
37人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年12月28日 1時