愛情､奇跡､友情､それから清純｡【Ib】 (ページ2)

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1話ページ2

───昼下がりの灰色の空の下､

イヴとその両親は美術館に向かっておりました。

母｢忘れ物ないわよね?イヴ｣

イヴ｢うん｣

母｢そうだハンカチ持ってきた?ほら､誕生日にあげた｣

イヴ｢持ってきてるよ｣

母｢ちゃんとポケットに入れておくのよ?無くさないようにね｣

イヴ｢はーい｣

母｢さぁ､着いたわよ｡イヴは美術館初めてよね?｣

イヴ｢うん｡｣

母｢今日見に来たのはゲルテナっていう人の展覧会で､絵の他にも彫刻とか､色々と面白い作品があるらしいからきっとイヴでも楽しめると思うわ｣

イヴ｢うん｣

父｢受付済ませてしまおうか｣

そう言って､受付のカウンターに向かった｡

イヴ｢お母さん､先に見に行ってもいい？｣

母｢美術館の中では静かにしてなきゃダメよ?まぁ､イヴなら大丈夫だと思うけどね｣

私は頷いた

母｢他の人の迷惑にならないようにね｣

イヴ｢うん｡｣

────────────────

Aside

───Aの家､

『今日は何しようかな…』

私が悩んでいると､そこに新聞に

[ゲルテナの展覧会今日開催]

という見出し｡

『どうせお母さんもお父さんも夜中まで帰ってこないし､お昼ご飯食べ終わったら行こうかな』

帰りにどっかの風景画でも描こう

上着を来て､いつもの鞄に小さなスケッチブックとハンカチ､色鉛筆を入れ､出かけた｡

────────────

──美術館

『受付ささっと済ませよう』

受付終了

『まずどこから行こうかな…下からかな…』

1階の展示場

1番初めに目に入ったのは､大きな魚の絵｡

パンフレットにもあったものだ｡

題名と紹介している机がある｡

【深海の世】

ヒトが立ち入ることは許されない
その世界を創造するため､私はキャンバスの中にその世界を造った

『でっかいなぁ…普通の人でも入れるもの…』

その真正面には､子供がピアノ弾いていて､そこに大人がいる絵だ｡

その左下には

ようこそゲルテナの世界へ｡
本日はご足労頂き､誠にありがとうございます｡
当館では現在､ワイズ･ゲルテナ展を開催しております｡
ゲルテナ氏が生前描いた怪しくも美しい絵画達をどうか心行くまでお楽しみくださいませ

生前ということは､ゲルテナは既に亡くなっている｡

絵を見る｡

【悪意なき地獄】

あ､納得｡

??｢なんて読むんだろ｣

『これはね､悪意なき地獄って言うんだよ』

??｢え?｣

つい答えてしまった…

??｢あ､ありがとうございます｡｣