【文スト】君が良ければ僕も良し！【江戸川乱歩】

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「潜入捜査、ですか」



「あぁ。
どうだ？そんなに難しい仕事でもないから、お前一人でもいけると思うんだが…」


カタカタ、とパソコンで報告書を作りながら首だけをこちらに向ける国木田さん。


「軍警から直々の依頼なんだが」と言って手渡された書類に目を通す。

内容は国木田さんの言う通りそこまで難しいものではなく、探偵社から少し離れたところにある工場で作っているものを調べる、という仕事だ。


「なんだか最近、この工場の動きが怪しいらしくてな。中で作っているものを確認して報告書を書くだけだ。

今まで単独の仕事は無かっただろう？
初の単独仕事には良いと思うぞ」



「それもそうですね……わかりました、行ってみます！」



「そうか、良かった。
なら、準備が出来次第向かってくれ。こまめに連絡は入れろよ」



はい、と返事をして事務所を出る。



寮で準備をしているとガチャン、と部屋の扉が開く音がした。



「あ、乱歩さん。どうしたの？」



「Aちゃん初の単独仕事と知って、準備を見送ろうと思って〜」


常に笑っている目尻をさらにきゅ、と上げた乱歩さんは私の隣にぺたん、と座った。

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