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彼が心配そうに私の顔を覗いている



だけどね



私は守られるだけのお姫様じゃないの



お姫様はね



前を向いて笑うのよ





「ごめんなさい、私あなたと仲良くなった記憶がないの」


「葛葉くんも言ってたけど、今は二人の時間を過ごしているって分からない?」


「空気、読んだ方が良いと思うのだけれど」




私の言葉で可愛いあの子は完全にいなくなった



物凄い形相で数々の罵倒を口にする



周りの様子などもう見えていないようだ



良いのかしら、彼がいる前でそんな痴態を晒しても



私の態度が気に入らなかったようで"お姫様"は手を振りかぶった



「このッ!嫌われ者が出しゃばってんじゃないわよッ…!」



「いい加減にしろよッ!」



"お姫様"の変わりように困惑していた彼だが



手を出そうとしてきた事は流石に見過ごせなかったようで間に入ってきた



彼が入ってきたことで、正気に戻ったのか今度は血の気の引いた顔色に



「ち、ちが、!この子がッ、!」



「言い訳とか聞くきないし、もう俺らと関わんな」



たった一言。怒鳴ったわけでも、罵倒をした訳でもない



ただ静かに彼は縁を切るといった



その目は酷く冷たくて



私が言われたわけでもないのに身震いしてしまった



行こう、とまた静かに呟き私の手を引いて店を出ようとする後ろ姿を追いかける



ちらりとあの子を見ると静かに涙を流し、その顔は少しの生気もない灰色だった



最後はかなりお粗末だったなぁ____











_____
彼に連れられてきたのは初めて会話をしたあの廃れた公園



こんなに良い天気にも関わらず人っ子一人いないのが異質な空間に感じる



「その、さっきの事だけど、」



とても言いづらそうに話す姿に少し笑いを零してしまう



「あのね、葛葉くん」


「私、今から貴方に告白しようと思うの」



余りに突拍子のない言葉に大きな目を更に見開いた後、顔を赤く染め上げる彼



「あのね、」



「待って!」



「お、俺から!俺から、言わせて、ください…」



だんだん声が小さくなっていったものの、私が彼の言葉を聞き逃すはずもなく



「んふふ、お願いします」



私は笑顔で承諾した



じっと目の前の彼を見つめる



耳まで赤く染め上げた彼は、小さく深呼吸をした後私を見つめ返す



彼が息を吸う音が聞こえる















好きです


















私も貴方が好きです

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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時

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