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葛葉side


最近よくぼーっとする時間が増えた



目を閉じると浮かぶのはあの時(・・・)の光景






_____






休日、家でだらだらしつつワンさんと戯れていると部屋に鳴り響く一件の通知音



誰からだろうと画面を見ると叶の文字



お昼食べ行こ



「昼飯ぃ?」



時計を見ると12:30を示していた



体感では朝だったので少し驚きつつ、返信をする



お昼食べ行こ
だるい
いつものとこ





相変わらずのこっちの話を聞かない様子にため息をつきつつ、のそのそと立ち上がる



「だりぃ〜〜」















だらだら準備してたら長い針は真上から少し進んだ位置を指していた



「やっべ、」



思った以上に時間が掛かっていたようで焦ったが、まぁ叶だしいっか、とのんびり家を出た



家を出て暫くしてからポケットが振動する



携帯を取り出すと一件の通知



ごめん、やっぱなしで



「はぁ〜??」



思わず声が出た俺は悪くないと思う



何なのこいつ。自分から誘っておいて断るなよ



てかもっと早く言えよ



重い腰上げて準備して、せっかく家出たのに



まぁ?俺がもっと早く行けばよかったのかもしれないけど?



いや、それでもこれはないだろ



なんて、自分の事は棚に上げて心の中で悪態をついた



まぁ腹も減ってるし一人で食べて帰ろうと思い足を進める







_空に雲がかかりはじめた_














店の前の横断歩道にようやくつき、信号を待っていると目に入ったのは見間違えるはずもない、2人の姿



「…ッは?」



なんでお前がそこにいるんだよ



なんで泣いてんの



なんでお前がそいつの涙拭ってんの



信号が青に変わるも、足は磁石でくっついたかのように動かない



心臓が痛い



頭が真っ白になっていく



なんで



なんで



なんで



意味が分からない



お前は俺の気持ちに気づいてたんじゃないのかよ




_信号が赤になる_






_色とりどりの車が俺と2人の間を走り抜ける_







ふと、あいつと視線が合ったような気がした。しかし一台の車が目の前を通り去る頃にはあいつの視線は彼女の元に



なぁ



なんで







何してんだよ、叶









_あれだけ晴れていた空はもうどこにも見当たらない_

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作者名:右京 | 作成日時:2024年3月20日 22時

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